《鍵盤音楽史:バッハ以前》の作曲家 11人目は、マティアス・ヴェックマン(Matthias Weckmann, 1616-1674)。
バロック音楽初期から盛期にかけて活躍した、北ドイツの音楽家。
マティアス・ヴェックマンは、ハインリヒ・シュッツ率いるザクセン宮廷楽団において、少年聖歌隊員として音楽教育を受け、さらにハンブルクの聖ペーター教会にて、ヤーコプ・プレトリウスにオルガンを師事した。
1638年から1642年までザクセン選帝侯の宮廷オルガニストを務めた。ザクセン選帝侯の御前での演奏対決がきっかけでフローベルガーと出会い、終生の友となる。
1655年にハンブルクの聖ヤーコプ教会専属オルガニストの称号を与えられ、余生を同地で過ごした。ここで音楽団体「コレギウム・ムジクム」を創設している。
ヴェックマンの鍵盤音楽作品には、組曲、トッカータ、ソナタなど、そして、コラール前奏曲、コラール変奏曲などの教会オルガン曲がある。
さらに、声楽のための宗教曲や小編成の器楽合奏曲も残している。
以上、主な出典は下記。
YouTube にはオルガンやチェンバロの全集的な音源がいくつかある。例えば(↓)。
こういうのを通して聴くとヴェックマンの大まかな雰囲気はつかめる。でも、気に入った曲を選ぶのはなかなか難しい。ましてや、代表曲がどれかということは分からない。
なので、いくつかの曲を選び抜いて演奏している音源を探してみた。
すると、グスタフ・レオンハルトが、バッハやフローベルガーやヴェックマンなど、オルガンとチェンバロ曲の "Great Works" を集めた CD があることが分かった。
この CD に収められたヴェックマンの曲(チェンバロ)は次の 7曲。これらが、代表曲(の一部?)と考えてもいいだろう。
Spotify で聴いてみたがなかなかいい。とくに、最初の「組曲ロ短調」はいい感じだ。
- Suite in B Minor: Praeludium - Allemanda - Courante - Sarabande - Gigue
- Toccata in E Minor
- Toccata in A Minor
- Suite in D minor: Allemand - Courant - Sarabanda - Gigue
- Suite in C minor: Allemanda - Gigue - Courant - Saraband mit Double
- Canzon in C Major
- Toccata in D minor
YouTube には、上の CD ではないようだが、レオンハルトの「組曲ロ短調」と「トッカータ ホ短調」があった。
その他、ちょっといいかも ♪…と思った曲(演奏)をいくつか挙げておく。
ちなみに、「オルガン音楽の500年」"500 Years of Organ Music (50CD)" という 50枚の CDボックスがあって、この中にはヴェックマンの作品も 7曲収められている。
マティアス・ヴェックマンの収録曲
- 第1旋法による5声の前奏曲ニ短調
- ファンタジア Ex D ニ短調、我ら貧しき罪人を、
- 第1旋法によるフーガ ex D ニ短調
- 讃美を受けたまえ 汝イエス・キリストよ(1)
- 第12旋法によるトッカータ ハ長調、カンツォン ハ長調、
- 讃美を受けたまえ 汝イエス・キリストよ(2)、トッカータ ホ短調、
- 今喜べ愛するキリスト者の教会よ、トッカータ ホ短調
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