《鍵盤音楽史:バッハ以前》の作曲家 19人目は、フランソワ・クープラン(François Couperin, 1668-1733)。
フランス・バロック中期から後期を代表する音楽家の一人。ヴェルサイユの音楽家としてルイ14世、ルイ15世に仕えた。オルガン曲や室内合奏曲、小規模な宗教曲も残しているが、代表作は 230曲を超えるクラヴサン曲と言っていいだろう。
実はクープランについては、昨年「修道女モニク」を選曲したときにクラヴサン曲については一通り調べている(↓)。…ので、今回は軽く調べるだけにしたい…(^^;)。
クープランのクラヴサン曲は、第1組曲〜第27組曲の 27の組曲からなっていて、230曲以上ある。組曲は「オルドル」(Ordre:騎士団)とも呼ばれる。出版年に応じて、第1巻〜第4巻にまとめられている。
- 『クラヴサン曲集第1巻』1713年 第1~5組曲
- 『クラヴサン曲集第2巻』1716~1717年 第6~12組曲
- 『クラヴサン曲集第3巻』1722年 第13~19組曲
- 『クラヴサン曲集第4巻』1730年 第20~27組曲
各曲には「表題」(フランス語)がつけられており、番号なしの日本語訳表題で呼ばれるとどの曲か分かりづらくなる…(^^;)。
親切なものでは、"25e ordre, 4e livre II.Soeur Monique"(第25組曲、第4巻、第2曲「修道女モニク」)などと表記されている ♪
4つの曲集以外に「クラブサン奏法」"L'art de toucher le clavecin"(1716)という教本?も出版しており、重要な文献となっている。影踏丸さんの note(↓)に詳しい。
✏️『クラヴサン奏法』解説(鍵盤楽器音楽の歴史、第115回)(影踏丸)
✏️フランソワ・クープラン『クラヴサン奏法』日本語訳(影踏丸)
代表作はたくさんありそうだが、クラヴサン曲では「パッサカリア」(第2巻 第8組曲 第9曲)、オルガン曲では「教区のためのミサ曲」"Messe pour les paroisses" を17世紀フランスのオルガン・ミサ曲の代表曲として挙げている人もいる。
クラヴサン曲では、春秋社の『バロックピアノ曲集 (世界音楽全集ピアノ篇)』(1978年、井口基成 編)と音楽之友社の『クラヴサン曲集』(1994年、安川加壽子 編)に載っている 20曲と 11曲が有名な曲と考えていいのかも知れない。
下記記事にアレクサンドル・タローの CD 『TIC, TOC, CHOC クープラン作品集』とともにまとめてある。
前に調べたときはアレクサンドル・タローの CD(↓)を中心に聴いた。
…ので、今回は他の演奏を探してみた。その中で一番気に入ったのが Iddo Bar-Shaï(イド・バル=シャイ)という1977年イスラエル生まれのピアニスト。ラフォルジュルネなどで日本にも何度かきているようだ。クープランにあっているかも、なかなかいい…(^^)♪
元の CD はこれ(↓)のようだ。
オルガン曲「教区のためのミサ曲」も聴いてみた。
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