《鍵盤音楽史:バッハ以前》の作曲家 15人目は、ヴィンツェント・リューベック(Vincent Lübeck, 1654-1740)。
ドイツ盛期バロック音楽の作曲家・オルガニスト。86歳と当時としては長寿だった割には現存する作品は少ない。
ヴィンツェント・リューベックは、1675年にシュターデのオルガニストとなり、1702年にはハンブルクの聖ニコライ教会のオルガニストとなり終生ここで過ごした。
J.S.バッハは青年時代にハンブルクを訪れ、リューベックとラインケンの演奏を聴いている。その影響は、バッハの初期のオルガン作品に見られる。
リューベックの作品ではオルガン作品が最も重要である。これらには、ブクステフーデやヨハン・アダム・ラインケン(Johann Adam Reincken)の影響が見える。
現存する作品は、オルガン曲としては「前奏曲とフーガ」5曲と「コラール前奏曲」2曲、クラヴィーア曲には「組曲ト長調」を含む『クラヴィーア練習曲集』(Hamburg, 1728)などがある。声楽曲(カンタータ)も数曲残っている。
以上、主な出典は下記。
YouTube には、鍵盤音楽作品(オルガン、チェンバロ)の全作品を録音したものがある。演奏はイタリアの鍵盤奏者、マヌエル・トマディン(Manuel Tomadin)。
『クラヴィーア練習曲集』だけの音源がこれ(↓)。演奏はドイツのマルティン・ブッカー(Martin Böcker)。この演奏の方が少しだけ好きかも…。
この練習曲集の構成は下記、アルマンドからジーグまでが「組曲ト長調」。
- Praeludium und Fuge in a-moll
- Allemande
- Courante
- Sarabande
- Gique
- Zugabe von dem Gesang "Lobt Gott ihr Christen allzugleich" in einer Chaconne
一通り聴いたが、正直に言うとあまり好みの作品はなかった。バッハが若い頃に影響を受けただけあって、少しバッハに近いものを感じる部分はあるが…。
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