2022年3月30日水曜日

🎹L-N. クレランボー 1676-1749 洗練されたフランス古典オルガン音楽

《鍵盤音楽史:バッハ以前》の作曲家 21人目は、ルイ=ニコラ・クレランボー(Louis-Nicolas Clérambault, 1676-1749)。

フランス盛期バロック音楽の作曲家・オルガニスト。フランス古典オルガン音楽を極め、またフランス語カンタータの作曲家として名を残している。




ルイ=ニコラ・クレランボーは、グラン=ゾギュスタン教会、サン=シュルピス教会などのオルガニストを務めたあと、1719年より恩師アンドレ・レゾンの後任としてグラン=ジャコバン教会のオルガニストとなる。

また、サン=シールの王室において、貧しい貴族の子女教育のための教師も務めた。その任期中に「フランス語カンタータ」を発案した。


クレランボーの作品はほとんどがカンタータ(教会、世俗)などの合唱曲が占めている。鍵盤音楽作品として主なものは、2つのオルガン組曲と 2つのハープシコード組曲である。その他、ヴァイオリンと通奏低音のソナタが 7曲ほど残されている。

作品カタログがあり、C.1〜C.239 の番号が付けられている。うち、鍵盤音楽は次の 5つ。

43: Harpsichord Suite No. 1 en C major
44: Harpsichord Suite No. 2 en C minor
45: Prelude for harpsichord in G major
46: Organ suite of the first tone
47: Organ suite of the second tone


以上、主な出典は下記。

✏️Louis-Nicolas Clérambault(Wikipedia/英語)


クレランボーを調べているとき、「プレリュード・ノン・ムジュレ」"Prélude non mesuré" という言葉に出くわした。

「規則的なリズムを持たない無拍のプレリュード」というほどの意味で、小節線も音価の区別もなく、楽譜は主に全音符と自由な曲線で書かれる。音符の長さなどは演奏者の自由に(場合によっては即興に)任される。

クラヴサンではルイ・クープランが始めたようだが、クレランボーも組曲の中のプレリュードで同じような書き方をしている。

ただ、クレランボーの場合、ある程度の旋律や区切り(縦の点線)を入れているようだ。下記が「組曲第1番 ハ長調」のプレリュードの楽譜。




主な出典は下記。




2つのハープシコード(チェンバロ)組曲を中心に聴いてみた。




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