2022年3月11日金曜日

🎹J.クーナウ 1660-1722 トーマスカントル、バッハの前任者

《鍵盤音楽史:バッハ以前》の作曲家 16人目は、ヨハン・クーナウ(Johann Kuhnau, 1660-1722)。

ドイツバロック音楽の作曲家、オルガニスト、チェンバロ奏者。聖トーマス教会のカントルとしては、J.S.バッハの前任者にあたる。




ヨハン・クーナウは、ドレスデンの聖十字架教会附属学校で学び、1680年にツィッタウの宮廷楽長となる。1682年からライプツィヒ大学で法律を学び、弁護士として活躍するかたわら、1684年からはライプツィヒ聖トーマス教会のオルガニストを務め、1701年にはトーマスカントルの地位に就いた。

クーナウのクラヴィーア曲はバッハを初め後世に大きな影響を及ぼした。ライプツィヒ時代の教え子には、ヨハン・ダーフィト・ハイニヒェン、クリストフ・グラウプナー、ヨハン・フリードリヒ・ファッシュなどがいる。


クーナウの出版されたクラヴィーア曲集は全部で 4巻(↓)。オルガン曲は写本でわずかに伝わるのみで出版はされていない。

  • 新クラヴィーア練習曲集 "Neuer Clavier-Übung" 第1巻(1689)
  • 新クラヴィーア練習曲集 "Neuer Clavier-Übung" 第2巻(1692)
  • 新鮮なクラヴィーアの果実 "Frische Clavier Früchte"(1696)
  • 音楽による聖書の歴史 "Musicalische Vorstellung einiger biblischer Historien"(1700)


「新クラヴィーア練習曲集」は、第1巻は長調、第2巻は短調の、それぞれ 7つの調による組曲が収録されている。各組曲はおおむねプレリュード(ソナチナ、チャコーナも)から始まり ACSG(アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ)の並びとなっている。

バッハが影響を受けたという点で重要な作品である。

「新鮮なクラヴィーアの果実」には 7曲の「ソナタ」が収録されている。これは、当時としては新鮮な試みと言える。表題にも「優れた創意と作法による7つのソナタ」とある。

「音楽による聖書の歴史」(通称「聖書ソナタ」)はストーリー性のある 6つのソナタからなっている。以下のようなタイトルが付けられており、一種の標題音楽とみなされる。

第1番:ダヴィデとゴリアテの戦い
第2番:ダヴィデの竪琴の音に癒やされるサウル
第3番:ヤコブの結婚
第4番:ヒゼキヤの死の病と回復
第5番:イスラエルの救い主、ギデオン
第6番:ヤコブの死と埋葬




YouTube で一通り聴いてみた。「聖書ソナタ」は描写的でちょっと面白いが、鑑賞する曲としてはどうなんだろう?…という感じ。他は、まぁ普通かな…(^^;)?

♪ Johann Kuhnau - Neuer Clavier-Übung(プレイリスト)
 Cemb:Fernando De Luca(フェルナンド・デ・ルカ)

 Cemb:Anikó Horváth(アニコ・ホルヴァート)

 Cemb:Fernando De Luca(フェルナンド・デ・ルカ)


ピアノ演奏もいくつかあったが、それほど魅力的なものは見つからなかった。ラザール・ベルマンが「聖書ソナタ」の第2番を弾いている(↓)が、まぁ、それなり…(^^;)?



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