これも好きな曲の一つ。あまりにも多くのピアニスト、指揮者、オーケストラが演奏しているので「お気に入り」演奏を探すのも一苦労である…(^^;)♪
Op.58
🎼 List of works by Ludwig van Beethoven
これまであまり考えたことがなかったが、この作品は当時としてはとても「革新的」なものだったそうだ。ポイントは「対話」と「一体化」。
それまでの協奏曲では、オーケストラはあくまで伴奏(脇役)で、「前座」のように演奏したあと、主役のピアノが華々しく登場する…というのが普通であった。
なのに、この協奏曲では、冒頭いきなりピアノのモノローグ(↓ソロ)から始まる、しかも弱音で…。当時の聴衆はビックリしただろう…きっと…(^^)。
ちなみに、ここには「運命」のテーマが織り込まれている…とのこと。
…で、オーケストラが続き、そのあともピアノとオーケストラが対話をしながら一体となって音楽を作り上げていく…といった流れになる。
第2楽章では、その「対話」はもっと明確な形…厳格で重いオーケストラ(弦楽合奏)と静かで瞑想的なピアノの対比…になっていく。
ただ、その対話の内容はあまり明確ではなく、実にミステリアス…。演奏者の「解釈」が問われるところだろう。聴いている方も何を感じるのか…面白いところでもある。
そして第3楽章では、打って変わって軽快な爽やかな「対話」が展開される ♪
2楽章から3楽章へアタッカで続けて演奏されるのも当時では珍しかったようだ。
また、演奏者に任されていたカデンツァも、この作品ではベートーヴェン自身が用意したそうだ。第1楽章では 2種類、第3楽章では 1種類。もちろん、独自のカデンツァを演奏しているピアニストもいる。詳しくは Wikipedia をどうぞ。
ちなみに、次のピアノ協奏曲第5番では楽譜の中にカデンツァが書き込まれているとのこと。演奏者によって色々変えられるのを嫌ったのかな…(^^;)?
さて、お気に入り演奏であるが、色々聴いて、気に入った演奏がいくつもある中で、一つ選ぶとすればコレ(↓)かな…? ツィメルマンとバーンスタイン指揮のウィーンフィルという組み合わせ。
♪ Krystian Zimerman - Beethoven - Piano Concerto No 4 in G major, Op 58
お気に入りポイントは、ピアノとオーケストラの音・響きの美しさと、「対話」の、何というか、掛け合い?の「妙(みょう)」とでも言うのか、活き活きとした表情…?
「対話」「一体」がポイントの曲だけに、オーケストラの響きもより重要になると思う。
その他、気に入った演奏をいくつか挙げると…。
第5番「皇帝」でのお気に入り演奏だった(《BTHVN op.73: ピアノ協奏曲第5番、シフ&カペラ・アンドレア・バルカ ♪》)シフも良かった。
♪ Beethoven Piano Concerto No 4 András Schiff Cappella Andrea Barca
ギレリス+クリーヴランド管弦楽団(ジョージ・セル)も端正でいい感じ ♪
♪ Gilels / Szell, Beethoven Piano Concerto No.4 in G major Op.58
あと、昔から定評のある(ちょっと古い)バックハウス+ウィーン交響楽団(カール・ベーム)も、念のために?聴いてみたのだが、意外に古さを感じさせないいい演奏だった ♪
♪ Wilhelm Backhaus plays Beethoven, Piano Concerto No.4 - Karl Böhm, Wiener Symphoniker (1967)
ちなみに、ベートーヴェン自身が編曲した「室内楽版」op.58a もある。音源はあまりなくて、YouTube で一つだけ見つけた(↓)。
これはこれでいい感じだ。元々の op.58 が室内楽的な響きを持っているのかも知れない。
♪ Beethoven Piano Concerto No. 4, op. 58 in G major with String Quintet
【関連記事】
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