…のだが、ラ・フォル・ジュルネの福間洸太朗のプログラムにあった《ヴィクトール・ウルマンのピアノソナタ第7番》と《ヨセフ・タルのピアノソナタ》をチェックしたりしていて、少し間があいてしまった。
2月14日に《ジョージ・ベンジャミン:ピアノ曲探索 ♪》の記事を書いてから1ヶ月半も経っている…(^^;)。
何はともあれ?今回は3人目、イギリス出身の作曲家・ ピアニスト・指揮者であるトーマス・アデスを聴いてみた。
まずは課題曲になっている "Traced Overhead" を聴いてみた。
♪ Thomas Adès - Traced Overhead [w/ score]
なかなかきれいな曲だ。現代音楽の雰囲気はあるが「現代音楽」によくある持って回ったような「嫌味」はない。表示される楽譜を見ると、どうやって弾くんだろうと思ってしまうが、音だけきていると意外にシンプルでいい感じだ ♪
ちなみに、この曲はギルモア・キーボード・フェスティバルでトリフォノフがプログラムの最後に入れている。
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次に、ちょっと前にイノン・バルナタンというピアニストを調べたときにも聴いた "Darkness Visible" という曲を聴いた。
♪ Thomas Adès – Darknesse Visible (1992)
これは、バルナタンの演奏でも一番好きな曲だったが、今回チェックしたトーマス・アデスのピアノ曲の中でも一番好きかも…。同音連打のメロディー(?)が美しい。
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他にどんなピアノ曲があるか調べていたら、とても情報がまとまっているサイトを見つけた。Faber Music というレーベルの作曲家ページで、作品一覧からCDのリストまでよく整理されている。さらに楽譜も閲覧できるという親切さ ♪
✏️Composers / Thomas Adès
その作品一覧(Works)ページからピアノ独奏曲を抜き出してみると、新しい順に…
Blanca Variations 2015
Mazurkas 2009
Concert Paraphrase on Powder Her Face 2009
Traced Overhead 1996
Still Sorrowing 1992
Darknesse Visible 1992
…と作品数はあまり多くない。
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探してみると、ぜんぶ YouTube にあるので他の4曲も聴いてみた。
♪ T. ADÈS - VARIATIONS FOR BLANCA [für Klavier, 2015]
♪ Thomas Adès Concert Paraphrase on Power Her Face - Ashley Fripp
♪ T. Adés: Still Sorrowing op.7 - Filippo Gorini, Piano
"Concert Paraphrase on Powder Her Face" は「問題作」だったらしいオペラ作品からのパラフレーズだが、あまり好みではない。それ以外はなかなか気に入った。
"Mazurkas" はギルモア・キーボード・フェスティバルでキリル・ゲルシュテインがとりあげている。
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一つ面白かったのは "Still Sorrowing" という曲。最初に画像を見たとき、譜めくりの人がいるなと思ったのだが、譜面台がない…。
あれっ?と思って聴いていると、どうもプリペアドピアノの曲らしい。すると、横に座っている女の人は譜めくりではなく、途中で追加の「プリペア」でも付けるのか?
…と思っていたら、途中で何かを弦から外しているようなのだ…。初めて見たが、何しているかが気になって、その間の曲とそのあとの音の変化を聴き逃してしまった…(^^;)。
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一通り聴いた印象としては、なかなかきれいな曲を書く作曲家だと思った。ピアニストでもあることが影響しているのか、どの曲もピアノの音のきれいな響きが生かされている。
リサイタルでとりあげているピアニストも結構いるようなので、いろんなピアニストの演奏を聴いてみたいと思う。
プロフィールについては下記をどうぞ。
✏️Faber Music / Biography
✏️トーマス・アデス(Thomas Adès, 1971年3月1日 ロンドン - )Wikipedia
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