2018年4月25日水曜日

ガブリエラ・モンテーロ(Gabriela Montero)即興も凄いピアニスト ♪


久しぶりにお気に入りピアニストかも知れない。ベネズエラ出身のガブリエラ・モンテーロ(Gabriela Montero, 1970年5月10日〜)である。

一昨日の記事でご紹介したミハイル・リフィッツと同じ武蔵野市民文化会館で、昨日(4月24日)リサイタルを行なっている。下記はその案内。




Wikipedia には「ガブリエラ・モンテーロ(Gabriela Montero, 1970年5月10日 カラカス - )はベネズエラ出身でアメリカ合衆国で活躍するピアニスト・即興演奏家」と書いてあるが、最近はこれに「作曲家」が追加されている。

彼女の公式サイト(↓)には "PIANIST・COMPOSER・IMPROVISER" と書いてある。

✏️Gabriela Montero 公式サイト


ロンドン王立音楽院に留学、1995年の第13回ショパン国際ピアノコンクールで3位(1位なし、2位にフィリップ・ジュジアーノとアレクセイ・スルタノフ)。アルゲリッチに才能を認められ、デュオの共演などもある。

即興演奏を得意としており、演奏会の後半に客席から「お題」(元になるメロディー)をもらって、その場で即興演奏を披露することが多いようだ。

室内楽奏者としては、ルガーノ音楽祭での共演が縁となり、ゴーティエ・カプソンと共にラフマニノフやプロコフィエフのチェロソナタを録音している。

ちなみに「返上騒ぎ」中のエコークラシック賞を2度(2006年、2007年)受賞している。


とりあえず、YouTube で見つけた演奏を聴いてみようと思ったのだが、かなりの数が即興("improvisation")である。ちょっと興味があったのでそちらを先に聴いてみた。

面白い! 軽いノリで短い演奏かと思っていたら、5分を超えるような本格的な?演奏なのだ。少しポップス系が混じっていたりもするが、基本的にはクラシックのピアノ曲で、中には "master piece" を聴かせてもらったと思えるものもある。こんな(↓)感じ。

 gabriella montero - improvvisation on Bach style

 Gabriela Montero - Improvisation on Bach's Goldberg Variations

 Gabriela Montero improvises on Don't cry for my Argentina - No llores por mi Argentina from Vienna

即興演奏は子供のときからやっていたようで、彼女にとっては一番自然な音楽によるコミュニケーションらしい。"the purist form of creation in music" とも言っている。


さて、ピアニストとしての演奏を探してみた。まずは、昨日のプログラムにも入っているチック・コリアの《チルドレン・ソングス》より1番・4番・6番・20番。

 Gabriela Montero plays Chick Corea's Children's Songs (Le canzoni dei bambini)

もともといい感じの曲なのだが、モンテーロの演奏は、何というか…「詩情」のようなものを感じる。音もきれいでこの曲にふさわしい。


次にショパンのノクターンが2つあったので聴いてみた。

 Gabriela Montero plays Chopin's Nocturne in D flat major, Op. 27, No. 2

 Gabriela Montero - Chopin - Nocturne in C minor Op. 48, Nº 1

最初のD♭のノクターンは、意外と?「耳タコ」感がなく、とくに奇をてらった演奏とは思えないのだが、ちょっといいかなと感じた。Cm の方は私の好みとは少し違う…。


もう1曲、昨日のプログラムと同じショスタコーヴィチのピアノソナタ第2番を見つけた。リハーサルでの通し練習らしい。

 Gabriela Montero, Shostakovich Piano Sonata No.2 (rehearsal run-through)

あまり聴き覚えのない曲だが、第1楽章はとても面白くていいなぁと思った。弾き方は軽い(リハーサルだから?)のだが、ちゃんと音も出て音楽になっている(?)。どこかアルゲリッチの弾き方に似ているかも…(^^)?

ところが、曲のせいかも知れないが、第2楽章以降は何だかつまらない。不思議だ…。

ちなみに、ミハイル・リフィッツをチェックしたときに、ショスタコーヴィチの「前奏曲とフーガ第24番」を聴いていい曲だなぁと思ったのだが、これまでほとんど聴いてこなかったショスタコーヴィチももっと聴いてみようと思う。


もう一つ、アルゲリッチとのデュオ、ルトスワフスキの「パガニーニの主題による変奏曲」を聴いた。アルゲリッチに一歩も引けを取らない弾きっぷりでなかなかいい ♪

やっぱり、弾き方が、手首の使い方とか違いはあるものの、どこか似ている気がする。モンテーロも指のバネが強いのかも…。

 Lutoslawski - Variations on a Theme by Paganini - Martha Argerich/Gabriela Montero


全体的な印象として、ピアノの音がとてもいい。単にきれいだというだけでなく、曲にあった中身のある響きがしている。それに加えて音楽の語り方が、即興演奏が好きなことが影響しているのか、本当にモンテーロ自身の言葉になっているように感じる。

即興演奏が面白くて、たぶん半分以上そちらを聴いていたので、もう少し落ち着いて、最新の CD(↓)などを聴いてみようと思っている。…が、この時点で「お気に入りピアニスト」に入れておきたいと思った…(^^)♪

ガブリエラ・モンテーロ




このアルバムには、ピアニストとしてラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、作曲家(兼ピアニスト)として "Ex Patria" という彼女の第1作、そして3つの即興演奏が入っている。

この CD は、2015年のラテン・グラミー賞の "Best Classical Album" を受賞している。

 "PIANIST・COMPOSER・IMPROVISER" ガブリエラ・モンテーロを知るにはもってこいの一枚かもしれない。YouTube にトレーラー動画(↓)がある。

 GABRIELA MONTERO Trailer: Montero "Ex Patria"/Rachmaninov No.2/Improvisations. En Español.



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