2015年1月13日火曜日

シューベルトのピアノ・ソナタ

1月10日の記事、《村上春樹が語るシューベルトのピアノ・ソナタ》の続き。村上春樹さんお薦めのアンスネスのピアノ・ソナタ第17番を聴いて、わりとよかったので、もう少しシューベルトのソナタを聴いてみることにした。


YouTubeで探すと第17番以外に、第19番・第20番・第21番の3曲(シューベルトの「後期ソナタ」と呼ばれている)が見つかった。それぞれが長いので、かつ他のピアニストと聴き比べていたら3日ほどかかってしまった。でも、けっこう幸せな時間であった。






ちなみに、この4曲はCD(下記)も出ている。



No.17 in D D850
No.19 in C minor D958
No.20 in A D959
No.21 in B flat D960


シューベルトのピアノ・ソナタは番号の付いているもので21曲ある。ぜんぶ聴くのは大変なので、まずどういうものがあるのか調べてみた。

すると、驚いたことに9曲は「未完」とある。シューベルトといえば「未完成交響曲」が有名だが、ピアノ・ソナタにもこんなに「未完成」があったのだ。(そういう性格だったのだろうか?)

Wikipedia の解説を参考に、聴いてみようと思う曲(No.17/19/20/21以外)をリストアップしてみた。

・第7番 変ニ長調 D567
  →ピアニスティックな完成作品とある
・第13番 イ長調 D664, Op.120 「イ長調の小ソナタ」
  →ピティナのステップ課題曲にもなっている(聴き覚えあり)
・第15番 ハ長調 D840 「レリーク(Reliquie:遺作)」
  →出版時に最後の作品と誤解されてタイトルが付けられた
・第18番 ト長調 D894, Op.78 「幻想」
  →シューマンに有機的な楽曲構造の美を絶賛されている

とりあえず「鑑賞曲」として聴こうと思っているが、楽譜を見る限りでは、第13番はもしかしたら弾けるレベルかもしれない。


ところで、シューベルトということで思い出したのがポール・ルイスである。去年、お気に入りピアニストを探していたときに、シューベルトがいいと思ったのがこの人である。

なぜか、第17番の演奏があったので聴いてみた。こちらも悪くない。



「後期ソナタ」はいろんなピアニストが弾いているようだ。とりあえず気に入ったものをあげておく。シュ・シャオメイの方は「お気に入りピアニスト探し」のときにも聴いていた。(すっかり忘れていた…)

♪ Schubert - Sonata in B-flat major, D. 960 (Zhu Xiao-Mei)
♪ Schubert - Sonata No. 21 in B-flat major, D. 960 (Maria João Pires)
※追記@2022/10/03:2つともリンク切れ


…で、シューベルトのピアノ・ソナタが好きになったかどうか? まだよく分からない、というのが正直なところ。「繰り返しが多くて退屈」という先入観のようなものは薄らいだ。が、長すぎるのでは?という感覚はやはりある。思ったより?いいんじゃないかというところも確かにある。メロディーの美しさはさすがだと思う。

音楽の聴き方の「多様性」のようなものを感じ始めている。「さあ聴くぞ」と正面に構えたような聴き方、コンサートを楽しむ聴き方、サロン的な楽しみ方、夜ひとりで音に浸る聴き方、BGM〜環境音楽、…。他にも、聴く側の気持ちの持ち方によっても聴き方は変わるだろう。

いずれにしても、もう少しシューベルトと付き合ってみよう、という気持ちにはなっている。



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