もともと、下記の参考記事にもあるように「多用されるトリルや装飾音符」が、今回の課題の一つだと思っていたので、そう簡単にいくとは思っていなかった。しかし、課題はどうもそれだけではなさそうだ。
【参考記事(ピティナの楽曲解説)】
4分の2拍子、イ長調、レント・エ・モルト・エスプレッシーヴォ
1907年6月に作曲された。〈スタンス〉は、“詩の一節”という意味。冒頭から、どこか懐かしさを感じさせる旋律が穏やかに歌われていく。多用されるトリルや装飾音符は、曲のもつ気品に優しさや愛らしさを添えている。これは、ラモーやクープランなどのフランス古典音楽を彷彿とさせるものである。演奏においては、すべての声部に神経をくばり、それぞれの箇所にあった響きを考えながら曲を作り上げていくようにしたい。平均演奏時間は約7分。
課題1:装飾音符
下の楽譜は曲の冒頭であるが、15小節中9小節になんらかの装飾音符がついている。聴いているときは、この装飾がとても心地よいのだが、弾く立場になるとこれが苦戦の元となる。しかも、他の音を押さえるところでは、3・4・5の指でトリルを弾くしかない箇所もある…。
装飾音符に気を取られていると、全体の旋律が追えなくなってしまう。と思って、最初は装飾音符なしで、譜読みをしてみたのだが、指づかいが無意識に変わってしまう。なので、今はゆっくり装飾音符つきで指使いを確定する作業をしている。
課題2:内声の動き
もう一つ、厄介なのが内声の動きだ。この曲は、基本的には4声(+α)で構成されている。その中の内声の動きが、この曲に味・表情をつけていると思うのだが、それを何気なく入れるのがちょっと難しいのだ。例えば、上の楽譜の4小節目・6小節目など。
弾いてみて分かったのは、このあたり、(私の苦手な)ポリフォニーの曲と同じような難しさがあるようだ。もちろん、フーガほど難しいわけではないので、少し慣れてくれば大丈夫だと思ってはいるのだが…。
課題3:左手のリズム
そして、全曲を通して、ベース・ラインを含む左手のパターンがいろいろと変化している。
この曲は「どこか懐かしさを感じさせる旋律が穏やかに歌われていく」のだが、同じような旋律の繰り返しでできている。変化をつけるためにイ長調から嬰ヘ短調などへの転調とともに、左手のパターンが変化していく。(もちろん、右手も…)
これも、聴いているとそれがうまく効果を上げていることが分かるのだが、弾くとなるとやや苦労したりする。とくに、中間部に出てくるシンコペーションのような、メロディーと微妙にずれるベースの動き(↓)が、ちょっとトリッキーな感じで、いま一つつかみきれていない。
…と書いてきて、結局のところ、この曲を魅力的にしているところが、弾く時の難しさに直結していることが分かってきた。これは、もちろん避けては通れないし、ここが上達しないと気持ちよく弾けない、ということになりそうだ。もう少し頑張らねば…。
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