吉田秀和さんの音楽評論集『之を楽しむ者に如かず』をやっと読み終わった。
音楽評論というのはあまり読まないのだけれど、この本はけっこう楽しめた。吉田秀和さんのクラシック音楽に対する深い造詣と経験、そしてお歳の割には(失礼!)とても豊かな感受性を感じた。軽妙な語り口と、ときに言いたいことをズバッと言う小気味よさは、読み物としても面白かった。
そして、なによりこれまであまり知らなかった曲のことをいろいろと教えてもらった。その辺りは、少しずつ聴こうと思ってメモを作ってある。→《読書メモ:作曲家・曲・演奏家編1》
それから、いい本を読むと次に読むべき本が見えてくる、と思っているのだが、この本の中にも吉田さんお薦めの本が何冊か出てくる。これも、いずれ読もうと思っているので、ご紹介かたがたここにメモしておきたい。順番は私の読みたい順。
1. 『パリ左岸のピアノ工房』
「これはピアノをめぐる実におもしろい本で、ピアノが好きな人には是非読んでみることをおすすめする」とのこと。
吉田さん曰く「演奏芸術家としてのグールドの実践と考えについて、私の知る限りこれまでで唯一の具体的に詳細に論じたもの」。
3. 『リヒテル』
著者モンサンジョンがリヒテルにインタビューしながら、その生涯や考え方をまとめたものと、リヒテル自身の膨大なノート(音楽日記のようなもの)からなる。
4. 『徒然草』
ピアノと直接の関係はありませんが…。「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」「折節の移り変はるこそ、ものごとにあはれ」
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