(原田 英代 著、みすず書房、2014年7月)
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第一章 ロシア音楽の黎明
→割愛--------------------------------------------------
第二章 世界をうならせたロシア・ピアニズム
※数字はページNo.
53
ガブリロヴィチは肩から腕、そして指先まで完全に力を抜いた状態で行う「腕によるタッチ」を推奨する。
55
ロシア演奏芸術の特徴の一つに時間の彫塑性、つまりフレーズの伸び縮みがある。しかし、演奏における自由が芸術性の高いものになるためには、厳格な骨格を持たねばならない。
56
(アントン・)ルビンシュテインは、演奏を始める前に、まず作品を精神的に始めなければならないと言っていた。心の中ですでにテンポやタッチの種類が決定されていて、初めて弾き出せるというのである。
68
レオニード・ニコラーエフの流れをひくピアニストとして目下活躍しているピアニストにグリゴーリー・ソコロフ(1950-)がいる。
70
ホロヴィッツはキエフ音楽院でレシェティツキの弟子のプハルスキーとエシポヴァの弟子のタルノフスキーに師事した後、ブルーメンフェルトの教えを受けた。…
85
リストの教えは…広がっていった。
ハンス・フォン・ビューロー→カール・ハインリヒ・バルト→アルトゥール・ルビンシュタイン、ゲンリフ・ネイガウス、ヴィルヘルム・ケンプ
マルティン・クラウゼ→エドヴィン・フィッシャー、クラウディオ・アラウ
イシュトバーン・トマーン→バルトーク
99
メトネル ベートーヴェン「熱情」ソナタの名演奏
【参考:YouTubeより】
♪Medtner plays Beethoven: Sonata No. 23 "Appassionata" pt 1/4
♪Medtner plays Beethoven: Sonata No. 23 "Appassionata" pt 2/4
ネイガウスの著書『ピアノ演奏芸術』は、今でもピアノ教則本として広く世界で親しまれている。
120
ネイガウスの弟子には、…スヴャトスラフ・リヒテル、エミール・ギレリス、…ラドゥ・ルプ(1945-)らがいる。
123
リヒテルはあらゆる作曲家に独自の世界を見いだした。それはリヒテルにしか弾けないものであり、彼の人生哲学から生まれたものであった。
…ハンガリーのピアニスト、アニー・フィッシャーは言った。
「これは音楽の領域から生まれた演奏ではなく、哲学の領域から生まれた演奏だ。」
124
ギレリスの演奏はつねに誠実で、純粋に己の魂に忠実に音楽と向かい合ったものであった。
129
…ロシア・ピアニズムには多くの流れがあるため、…一言で説明することは不可能である。→多様性がある
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