2013年5月5日日曜日

ラ・フォル・ジュルネ2013:エル・バシャ、マスタークラス

ラフォルジュルネに行ってきた。楽しみにしていた、エル・バシャのラヴェルを聴いてきた。ピアノの公開レッスンなるものも初めて見てきた。写真は会場にあった出演者のサイン。誰のだかよく分からないが記念に撮影してきた。




全体の雰囲気はお祭りなのでちょっと落ち着かないが、活気があって面白い体験であった。屋台のようなワゴン車が並んでいるところにテーブル席がたくさんあって、その中に小さなステージが設営されており、いろんな演奏を聴くことができる。あまり時間がなかったので、こちらはほとんど聴けなかった。

エル・バシャのラヴェルの演奏は、期待が大きかったせいか「まずまず」といった感じ。きれいな音色も楽しめたし、ソナチネなんかはかなり良かった。久しぶりの生のピアノ演奏の雰囲気や音も十分に楽しめた。ただ、欲張りなのかもしれないが「感動」とまではいかなかった。


実は、それよりも面白かったのが「マスタークラス」というプロのピアニストによる公開レッスン。整理券をもらって観たのは、フィリップ・カサールさんという人によるラヴェルの「ラ・ヴァルス」のレッスン。

音大の学生さんがまず通して弾いたのだが、これが最初からエンジン全開の大音響で、部屋の音響のせいか、もしかしたらマイクを使っているのか、と思ったほどだった。

後で、マイクなしのナマだし、部屋の音響のせいでもないことが、レッスンの中で分かったのだが…。学生さんも目一杯がんばってむずかしい曲を弾いたのだろう。緊張していたのかもしれない。会場もなんか重い雰囲気に…。


ところが、カサール氏のレッスンが始まるや、会場が和やかな笑いに包まれた。

「難しい曲をエネルギッシュに弾いてくれました」とか何とか少し持ち上げたあとで、「でも手の内を最初から全部見せてるよね」などと言いながら…

「そうじゃなく、ポケットに入っているものを『いいものがたくさん入っているんだよ』と思わせながら、でももったいぶって『見せよかな~、やっぱやめとこ』なんて繰り返して期待感を高めてから、最後に『ほら』ってやるんだよ~」

と、茶目っ気たっぷりに演技しながら、本当にポケットからハンカチをパーッと取り出して見せたりするのだ。


もちろん、音楽的な内容や弾き方の指摘や指示も分かりやすく的確で、学生さんの弾く音楽が見る見る良くなるのが素人目(耳)にも分かるほどで、それは感激ものであった。本当にあっという間の一時間だった。

もう少し具体的な話は、自分自身のためにも書きとめておきたいのだが、今日は少し疲れたので、明日にでも続きを書きたい。(覚えていれば…)



【関連記事】
《読書メモ:ラヴェル ―回想のピアノ》

《今度こそ生演奏》


  にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ 

0 件のコメント: