2013年5月12日日曜日

ピアニズム?

ピアノに関する本を読んでいると、ときおり「ピアニズム」という言葉が出てくる。最近読んだ本にも「粒立ちのよいピアニズムが感じられ…」などと使われている。

何となく分かったような気になってやり過ごしていたのだが、ちょっと引っかかったので調べてみた。


ピアニズム【pianism】:ピアノ演奏。また、その演奏技術。」という説明が一番多い。英語の辞書でも「performance by or technique of a pianist」となっている。これが基本のようである。

ただ、それ以上の意味が含まれる場合もあるような気がする。

ネットで検索すると、「ピアノ演奏における表現方法や演奏の特徴」「ピアノ作品における音楽書法の特徴」「ピアノという楽器や、その楽曲に対する、作曲や演奏の考え方・主張」といった説明が見受けられる。


また、英英辞書の中に次のような説明を見つけた。

"the artistry and technique of a pianist"

"artistry"というのは「芸術家の芸術的才能」や「芸術作品の芸術性」を意味しており、"artistry score"はフィギュアスケートなどでの「芸術点」を意味する。

なので、ピアニズムは単なる演奏技術だけではなく「芸術性(音楽性)」とか「芸術的(音楽的)な表現技術・表現力」といったものを含むものと理解したほうがよさそうである。


自分なりにまとめると、「ピアノによる音楽的表現、およびそれを支える演奏技術と背景にある考え方」という感じであろうか。


使い方の例としては、「現代古楽の基礎知識」というブログに次のような文章があり、多様な意味合いを持つ様子が分かる。

「ピアニズム」という言葉があります。「ピアノやピアノ曲に対する考え方」(たとえば「リストのピアニズム」)、「ピアノの流儀」(たとえば「ロシア・ピアニズム」)、「楽想のピアノらしさ」(たとえば「この曲にはピアニズムがある」)など多様な意味を含んでいます。私は、山本さんのトッカータの演奏を聴いて、彼女の豊かなピアニズムを感じました。



ちなみに、ピアノ以外の楽器でも同じような表現があるのか調べてみたが、見つけることができなかった。「バイオリニズム」も「フルーティズム」も「ドラミズム」もなかった。これは何故なのか?謎である。



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