《鍵盤音楽史:現代》 25人目の作曲家は、ハリソン・バートウィッスル(Harrison Birtwistle, 英, 1934-2022)。英国現代音楽界の重鎮、今年 4月に 87歳で亡くなった。
Harrison Birtwistle(By MITO SettembreMusica) |
最初にバートウィッスルのピアノ曲を聴いたのは 2019年。このときは、2曲ほど聴いてみたが、私の好みではなかったので、それ以上は追求しなかった…(^^;)。
そのとき書いた記事から、簡単なプロフィールをコピペしておく。出典は✏️ハリソン・バートウィッスル(Wikipedia)。
ハリソン・バートウィッスル(Harrison Birtwistle, 1934年7月15日 - 2022年4月18日)は、イギリスの現代音楽の作曲家。ブラスバンドに親しむが、やがて作曲に転科。
アレクサンダー・ゲール、ジョン・オグドン、ピーター・マックスウェル・デイヴィス、エルガー・ハワースとともに「マンチェスター楽派」を結成し、主に音楽劇の分野で頭角を現す。
世界的に著名になったのは、オペラ「オルフェウスのマスク」(1984年)により 1987年にグロマイヤー賞を受賞してから。1990年代以降は世界中に多くの弟子を持つようになり、国際的な重鎮と称えられるまでになった。
- Antiphonies (Pf & orchestra) :1992
- Slow Frieze (Pf & ensemble) :1996 /16' /Joanna MacGregor
- Harrison's Clocks :1997-98 /25' /Joanna MacGregor
- Betty Freeman: Her Tango :2000 /2' /Mitsuko Uchida
- Oockooing Bird : 2000 /3'
- Ostinato with Melody :2000 /5' /Rolf Hind
- The Axe Manual (Pf & percussion) :2000
- 4 Piano Pieces :2000-01 /13' 30"
- Saraband: The King's Farewell :2001 /3' /Robert Keeley
- Dance of the metro-gnome :2006 /1' /Nicolas Hodges
- Gigue machine :2011 /14' /Nicolas Hodges
- Responses -Sweet disorder and the carefully careless (Pf & orchestra) :2013-14 /29' /Pierre-Laurent Aimard
- Variations from the Golden Mountain :2014 /9' /Nicolas Hodges
- Keyboard Engine -A construction for two pianos : 2017-18 /25' /Pierre-Laurent Aimard, Tamara Stefanovich
日本語での曲名を参考のために挙げておく。
出典は大井浩明さんのブログ記事(↓)。上のカタログに含まれない作品(初期のもの?)も入っている。この 2019年のコンサートで日本初演となったものも数曲あるようだ。
- ウックウ鳥 Oockooing Bird :1950
- 約言 (J.オグドンのために) Précis :1960
- 悲しい歌 Sad Song :1971
- ジャンヌの子守歌 Berceuse de Jeanne :1984
- ヘクターの薄明 Hector's Dawn :1987
- ハリソンの時計 Harrison's Clocks :1998
- メロディとオスティナート (P.ブーレーズのために) Ostinato with Melody :2000
- ベティ・フリーマン - 彼女のタンゴ Betty Freeman: Her Tango :2000
- サラバンド:王の拝辞 Saraband: The King's Farewell :2001
- メトロノームの精の踊り Dance of the metro-gnome :2006
- ジーグ・マシーン Gigue Machine :2011
- ゴールドマウンテン変奏曲 Variations from the Golden Mountain :2014
今回は、YouTube にある音源をいろいろ聴いてみたが、結局、ピアノソロ曲では気に入った曲は見つからなかった。あまりに現代音楽的?…というより、何となく私の好みとはズレているということなのだと思う。
その中で、私が気に入った唯一の作品が "Responses" というピアノ協奏曲的な作品。オーケストラの響きとピアノの組み合わせがいいのか? あるいは、ピアニスト(エマールさん)の腕がいいのか?
ピエール=ローラン・エマールさんのピアノ、Stefan Asbury 指揮、Symphonieorchester des BR の2014年の演奏となっているので、初演の録音かもしれない。
バートウィッスルはもともとブラスバンド出身で、オーケストラ作品でも管楽器の扱いに定評があり、得意分野も音楽劇ということで、ピアノなどのソロ楽器にはあまり向いていない?作曲家なのかも知れない。
ピアノ協奏曲的な作品として、初期の "Antiphonies" (1992) を聴いてみた。こちらも、ソロ作品よりはいい感じだと思うが、"Responses" ほどいいとは思わなかった。
その他、YouTube で聴いた主な曲は下記。
ちなみに、上の最後の二つの音源は下記の CD からのもので、またしても?昔の作曲家(ベートーヴェン)と現代作曲家(バートウィッスル)の組み合わせとなっている。
ピアノはニコラス・ハッジス(Nicolas Hodges、1970- )という英国のピアニスト。
主な参考記事は下記。
✏️ハリソン・バートウィッスル(Wikipedia)
✏️ハリソン・バートウィッスル 作品カタログ(ショット・ミュージック)
↓
✏️作品カタログ(Boosey & Hawkes:PDF)
✏️楽譜のお勉強・番外編〜ハリソン・バートウィスルを偲んで(いなもり やすたき)
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