《鍵盤音楽史:現代》 32人目の作曲家は、ジョン・コリリアーノ(John Corigliano, 米, 1938-)。現代アメリカを代表する人気作曲家。多くの受賞歴を持ち、演奏機会も多い。
個人的には、2年ほど前にトリフォノフのリサイタルプログラムの中にあった「オスティナートによる幻想曲」で初めて知った作曲家である。
ジョン・コリリアーノはニューヨーク出身の現代音楽の作曲家。父はニューヨークフィルのコンサートマスターを23年間務めたヴァイオリニスト、母はピアニスト。
コロンビア大学、マンハッタン音楽学校で作曲を専攻し、オットー・ルーニング、ヴィットリオ・ジャンニーニ、ポール・クレストンに師事した。
オーケストラ作品が多く、1991年に交響曲第1番でグロマイヤー賞を、2001年に交響曲第2番(弦楽合奏のための)でピューリッツァー賞を受賞している。
また映画音楽でも、『レボリューション・めぐり逢い』(1985年)でアントニー・アスキス賞、『レッド・バイオリン』(1999年)でアカデミー作曲賞を受賞するなど、高く評価されている。
現在、ジュリアード音楽院、ニューヨーク市立大学リーマン校の作曲科教授。
作風は独自で個性的と言っていいだろう。12音技法なども含めて、現代までに至る音楽の要素や技法を材料として、自らの音楽を作り上げていくタイプの作曲家と思われる。
3つの交響曲(管弦楽、弦楽、吹奏楽のための作品)、5つの協奏曲(クラリネット、フルート、ヴァイオリン、オーボエ、ピアノのための作品)、室内楽、オペラ、映画音楽など多くの作品を書いている。
ピアノ独奏曲の代表作は「エチュード・ファンタジー」と「オスティナートによる幻想曲」だと思われる(YouTube の音源などでみると…)。
コリリアーノのピアノ作品は下記。出典は✏️John Corigliano /Works(公式サイト)。
- Kaleidoscope for Two Pianos (1959)
- Concerto for Piano and Orchestra (1968)
- Gazebo Dances (for piano, four-hands) (1972)
- Adagio (from “Gazebo Dances") (1972)
- Etude Fantasy (for piano) (1976)
- Etude No. 1 (for the left hand) (1978)
- Fantasia on an Ostinato (for piano) (1985)
- O God of Love (1991)
- Chiaroscuro (For two pianos, tuned one quarter-tone apart) (1997)
- The Red Violin: Anna’s Theme (1997)
- Winging It (2008)
YouTube には色んな音源があるが、この CD(↓)の演奏は充実していると思われる。ピアニストは Ursula Oppens(ウルズラ・オッペンス)と 、Jerome Lowenthal(ジェローム・ローウェンタール:2台ピアノ)。"Ursula" は「アーシュラ」の表記もある。
✏️Winging It - Piano Music of John Corigliano(Tower Records)
収録曲は下記。
- ウィンギング・イット(世界初録音)
- キアロスクーロ(2pf:1台は 1/4音低く調律)
- オスティナートによる幻想曲
- カレイドスコープ(2pf)
- 幻想的練習曲:左手のみで/五度から三度へ/オーナメント/メロディ
「オスティナートによる幻想曲」はエレーヌ・グリモーなども録音している。
連弾「ガゼボ舞曲集」は人気作品のようで、オーケストラや吹奏楽にも編曲されている。
ピアノ:Natalia Lavrova、Vassily Primakov
ピアノ協奏曲は、なんだか色んな要素が入っていて、個人的にはまだ消化不良…(^^;)。なかなかいい感じのところもあるが…。
それから、"Living the Classical Life" のインタビュー動画があった。英語なので半分ぐらいしか分からないが、ちょっと興味深い内容(のよう)だった。
主な参考記事は下記。
✏️ジョン・コリリアーノ(Wikipedia)
✏️John Corigliano(公式サイト)
✏️コリリアーノの作品 Chiaroscuro(楽しい連弾の部屋)
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