2022年8月19日金曜日

K.シマノフスキ 1882-1937 ピアノ曲一覧表&難易度追加

前奏曲 Op.1-8 を練習しているので、カロル・シマノフスキ(Karol Szymanowski, ポーランド, 1882-1937)について調べようと思ったら、リュカ・ドゥバルグの日本での初リサイタルを聴きに行ったときに「予習」していた(↓)。


…ので、プロフィールなどを補足する。




現ウクライナ(キエフ県)に領地を持つポーランド貴族の家庭に生まれた。父からピアノの手ほどきを受けるが、10歳のときエリザベトグラードの音楽学校に入学する。

1901年からはワルシャワ音楽院(現在のフレデリック・ショパン音楽アカデミー)で、和声学をマレク・ザヴィルスキ、作曲と対位法をジグムント・ノスコフスキに師事した。

ここでは、音楽グループ「若きポーランド」のアルトゥール・ルービンシュタインなどにも出会っている。


シマノフスキの作風は次の三つの時期に分けることができる。

第1期:ショパン、ワーグナー、スクリャービン、リヒャルト・シュトラウス、マックス・レーガーらの影響が明らかな後期ロマン派の作風。

第2期:イタリアやパリを拠点として地中海地方を旅行し、オリエンタリズムとストラヴィンスキーやドビュッシーの影響が混在する個性的な作風の時期。

第3期:ポーランド独立後祖国に戻り、そこで民俗音楽(とくに南部のタトラ山地の民俗音楽)の研究に傾倒し、その影響下にある作品を生み出した時期。


ピアノ作品は下記の通り。ピアノ協奏曲に相当する「交響曲第4番 (協奏交響曲) op.60」を含む。第1期・第2期・第3期を「--------------」で区切ってある。

  1. 9つの前奏曲 Op.1(1899)
  2. ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10(1900)
  3. 4つの練習曲 op.4 (1900-02)
  4. 変奏曲 変ロ短調 Op.3(1903)
  5. ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 op.8 (1903-04)
  6. 幻想曲 Op.14(1905)
  7. 前奏曲とフーガ(1905)
  8. ピアノ・ソナタ第2番 op.21 (1911)
    --------------
  9. メトープ Op.29(1915)
    1. セイレーンの島
    2. カリプソ
    3. ナウシカア
  10. 仮面劇(マスク) op.34 (1915-16)
    1. シェエラザード
    2. 道化師タントリス
    3. ドン・ファンのセレナーデ
  11. ノクターンとタランテラ Op.28(1915)
  12. 12の練習曲 Op.33(1916)
  13. ピアノ・ソナタ第3番 op.36 (1917)
    --------------
  14. マズルカ集(全5巻20曲) op.50 (1924-25)
  15. ヴァルス・ロマンティーク Romantic Waltz(1925)
  16. 4つのポーランド舞曲(1926)
  17. 交響曲第4番 (協奏交響曲) op.60 (1932)
  18. 2つのマズルカ op.62 (1933-34)


YouTube にある主な音源については下記記事にまとめてある。



今回初めて聴いたのは「交響曲第4番 (協奏交響曲) op.60。シマノフスキ晩年の大作で、唯一のピアノ協奏曲。ピアノはレイフ・オヴェ・アンスネス。


ちょっと面白い感じもあるが、今ひとつつかみどころがない…(^^;)?


なお、『あるピアニストの一生』に、シマノフスキのピアノ作品集『4つの練習曲 Op.4/12の練習曲 Op.33/仮面劇 Op.34』(↓)に収録されている曲の難易度が載っていたので、《難易度別ピアノ曲》の最上級〜中級のページに追加した。



主な参考記事は下記。

✏️カロル・シマノフスキ(Wikipedia)


✏️シマノフスキ(PTNAピアノ曲事典)

✏️シマノフスキの「9つの前奏曲 Op. 1」ほか(クラシック音楽の小窓-その後)



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