前奏曲 Op.1-8 を練習しているので、カロル・シマノフスキ(Karol Szymanowski, ポーランド, 1882-1937)について調べようと思ったら、リュカ・ドゥバルグの日本での初リサイタルを聴きに行ったときに「予習」していた(↓)。
…ので、プロフィールなどを補足する。
現ウクライナ(キエフ県)に領地を持つポーランド貴族の家庭に生まれた。父からピアノの手ほどきを受けるが、10歳のときエリザベトグラードの音楽学校に入学する。
1901年からはワルシャワ音楽院(現在のフレデリック・ショパン音楽アカデミー)で、和声学をマレク・ザヴィルスキ、作曲と対位法をジグムント・ノスコフスキに師事した。
ここでは、音楽グループ「若きポーランド」のアルトゥール・ルービンシュタインなどにも出会っている。
シマノフスキの作風は次の三つの時期に分けることができる。
第1期:ショパン、ワーグナー、スクリャービン、リヒャルト・シュトラウス、マックス・レーガーらの影響が明らかな後期ロマン派の作風。
第2期:イタリアやパリを拠点として地中海地方を旅行し、オリエンタリズムとストラヴィンスキーやドビュッシーの影響が混在する個性的な作風の時期。
第3期:ポーランド独立後祖国に戻り、そこで民俗音楽(とくに南部のタトラ山地の民俗音楽)の研究に傾倒し、その影響下にある作品を生み出した時期。
ピアノ作品は下記の通り。ピアノ協奏曲に相当する「交響曲第4番 (協奏交響曲) op.60」を含む。第1期・第2期・第3期を「--------------」で区切ってある。
- 9つの前奏曲 Op.1(1899)
- ポーランド民謡の主題による変奏曲 Op.10(1900)
- 4つの練習曲 op.4 (1900-02)
- 変奏曲 変ロ短調 Op.3(1903)
- ピアノ・ソナタ第1番 ハ短調 op.8 (1903-04)
- 幻想曲 Op.14(1905)
- 前奏曲とフーガ(1905)
- ピアノ・ソナタ第2番 op.21 (1911)
-------------- - メトープ Op.29(1915)
- セイレーンの島
- カリプソ
- ナウシカア
- 仮面劇(マスク) op.34 (1915-16)
- シェエラザード
- 道化師タントリス
- ドン・ファンのセレナーデ
- ノクターンとタランテラ Op.28(1915)
- 12の練習曲 Op.33(1916)
- ピアノ・ソナタ第3番 op.36 (1917)
-------------- - マズルカ集(全5巻20曲) op.50 (1924-25)
- ヴァルス・ロマンティーク Romantic Waltz(1925)
- 4つのポーランド舞曲(1926)
- 交響曲第4番 (協奏交響曲) op.60 (1932)
- 2つのマズルカ op.62 (1933-34)
YouTube にある主な音源については下記記事にまとめてある。
今回初めて聴いたのは「交響曲第4番 (協奏交響曲) op.60。シマノフスキ晩年の大作で、唯一のピアノ協奏曲。ピアノはレイフ・オヴェ・アンスネス。
ちょっと面白い感じもあるが、今ひとつつかみどころがない…(^^;)?
なお、『あるピアニストの一生』に、シマノフスキのピアノ作品集『4つの練習曲 Op.4/12の練習曲 Op.33/仮面劇 Op.34』(↓)に収録されている曲の難易度が載っていたので、《難易度別ピアノ曲》の最上級〜中級のページに追加した。
主な参考記事は下記。
✏️カロル・シマノフスキ(Wikipedia)
✏️シマノフスキの楽曲一覧(Wikipedia)
✏️シマノフスキ(PTNAピアノ曲事典)
✏️シマノフスキの「9つの前奏曲 Op. 1」ほか(クラシック音楽の小窓-その後)
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