2022年7月25日月曜日

🎹S.グバイドゥーリナ 1931- 「シャコンヌ」が素晴らしい ♪ 現代ピアノ曲の名曲の一つかも…

《鍵盤音楽史:現代》 22人目の作曲家は、ソフィア・グバイドゥーリナ(Sofia Gubaidulina, 露, 1931-)。

名前は知っているが、そのピアノ作品はほとんど記憶にない…という作曲家。何となくのイメージは「前衛的」な感じ…だったのだが、音楽的な現代ピアノ曲「シャコンヌ」と出会って少し好きになっているかも…(^^)♪




「百科事典マイペディア」(コトバンク)の解説から少し抜き出すと…。

ソフィア・グバイドゥーリナはタタール共和国出身の作曲家。父はモンゴル系タタール人,母はポーランドとユダヤの血を引くロシア人。カザンの音楽院とモスクワ音楽院に学ぶ。ソ連崩壊後はハンブルクに移住した。

ロシアや中央アジアの民族楽器を用いた即興演奏を展開する一方,クレーメルに献呈されたバイオリン協奏曲《オッフェルトリウム》(1980),チェロ,バヤンと弦楽合奏のためのパルティータ《最後の7つの言葉》(1982)など,独自の美学に貫かれた作品を発表。

シュニトケ,ペルトらとともに,旧ソ連圏の新しい波の一人として世界的な評価を得た。声楽をともなう作品が多く,時に民族楽器も用いて音色の綾をつくりだすその音楽は,劇的かつ精妙。深い宗教心を背景に,人間的感情が陰影豊かに歌い込まれている。


ピアノ関連の作品リストは下記の通り。

  1. シャコンヌ:1963
  2. ピアノソナタ:1965
  3. 音楽おもちゃ箱:1969
  4. ピアノのためのトッカータ:1969
  5. トッカータ・トロンカータ:1971
  6. インヴェンション:1974
  7. イントロイタス:1978(ピアノと室内オーケストラのための協奏曲)
  8. S-H-E-Aの主題による幻想曲:2008
  9. おやゆび姫


今回、YouTube にある音源をいくつか聴いた。思っていたより「前衛的」な色合いは薄く、ピアノ曲として面白いものがいくつかあった。

一番気に入ったのは最初に聴いた「シャコンヌ」。現代音楽的なのだけれど、そしてやや乱暴に聴こえる部分もあるのだが、曲としての構成がしっかりしていて、メロディアス、リズミカルなところ、さらに和音的な独特な音の響きもあって、魅力的な作品になっている…と思う。

聴いたのは Béatrice Rauchs(ルクセンブルク、1962-)という人の演奏。



ピアノソナタの印象は「前衛的」で、私には今ひとつ分からない…(^^;)。


「音楽おもちゃ箱」は子供のための作品という作りなのだが、けっこう難しそうに聴こえる。音楽としても技術的にも…。いくつかの曲は面白いと思う。


上の二つはオーストラリアの Diana Baker というピアニストの演奏で、グバイドゥーリナのピアノ作品全集を出しているようだ。下記の二つも Diana Baker の演奏。




ピアノ協奏曲に相当するのは 1曲しかなく、「ピアノと室内オーケストラのための『イントロイタス』」という作品。まだ十分に理解できてないが、ちょっと面白い感じはする。


演奏しているイタリアのピアニスト Alice Di Piazza(アリス・ディ・ピアッツァ) という人は、グバイドゥーリナから高い評価を得ているピアニストのようで、本人の公式サイトには作曲家本人からの手紙が掲載されている。

✏️Gubaidulina letter(Alice Di Piazza 公式サイト)


その中に、アリスの弾く「シャコンヌ」を聴いて "revelation"(啓示)だったと、グバイドゥーリナがその演奏を激賞しているところがあった(↓)。

"To me that was a revelation! The incredible power of her  technical mastery fully revealed her ability to develop tragic  expressiveness. "

…ということで、YouTube で探し出して聴いてみた。たしかにすごい!♪


ちなみにこの曲は有名なピアノ曲で、現代曲では定番の一つになっているようだ。YouTube には Yulianna Avdeeva、Alexander Kobrin、Anna Vinnitskaya などの音源があった。ホロヴィッツも弾いているようだが音源は見つからなかった。


主な参考記事は下記。




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