2021年8月19日木曜日

Bach100: 半音階的幻想曲とフーガ BWV903 クラヴィコードでの圧巻の演奏 ♪

「J.S.Bachの作品100曲を聴く」《Bach100BWV🎧》プロジェクト、今日は「半音階的幻想曲とフーガ」(Chromatische Fantasie und Fuge)ニ短調 BWV903。

このプロジェクトでは鍵盤楽器のソロ曲以外を中心に…としているが、クラヴィコードでのとても素晴らしい演奏を聴いてしまったので、ちょっと寄り道…(^^;)♪


BWV903 🎼バッハ(1685-1750)の作品一覧/Wikipedia


聴いたのはオランダバッハ協会の "All of Bach"プロジェクトでの演奏。クラヴィコード(Johann Paul Kraemer and sons, Göttingen, 1803)を演奏しているのは Menno van Delft(メノー・ファン・デルフト、オランダ、1963〜)という人。
小さな音しか出ないはずのクラヴィコードで、素晴らしく迫力のある演奏を聴かせてくれる。もちろん録音もいいのだろうが、奏者の技量あってのことだろうと思う ♪

演奏者を取り囲むように 6人の若い聴衆がいるのだが、これは羨ましい…(^^;)。


これ(↓)が演奏動画の一場面。クラヴィコードの構造がよく分かる。




実は、クラヴィコードとチェンバロ(=ハープシコード、クラヴサン)の違いがよく分かってなかった…(^^;)。ちょっと調べてみた。下図がクラヴィコードの構造図。下記サイトからお借りしたもの。

✏️鍵盤楽器の種類と特徴(Bach,Boat,Bios&B4の生活)




チェンバロはプレクトラム(ピック、爪=鳥の羽軸、今はプラスチック製)で弦を引っ掛けて弾く(はじく)のだが、クラヴィコードではタンジェントと呼ばれる金属片(マイナスドライバーのような…)で弦を突き上げる(叩く+支える)ことで音を出している。

音高はタンジェントとブリッジの間の弦の長さ(上で赤く網かけした部分)で決まる。張ってある弦の長さではない。なので、一本の弦で複数の音高を出すことも可能である。

実際に、弦の数を少なくするためにそういう作りのクラヴィコードもあったようだ。ただし、その複数の音は同時に出すことはできなくなる。


音量は小さいが、打鍵の強さを変えることで強弱をつけることもできる。また、打鍵した後に鍵を押す強さを変化させることでビブラートをかけること(ベーブング)もできる。

また、ペダルはないので、音を伸ばし続けるには鍵盤を押したままにするしかない。「フィンガーペダル」という奏法があるが、Menno van Delft 氏の演奏でも使っているように見える箇所がある。



サイズを小さくできるので、家庭用の楽器として愛用された。C.P.E.バッハはクラヴィコードの熱心な支持者だったそうだ。


チェンバロでの演奏はカール・リヒター(Karl Richter)が良かった ♪



ピアノでの演奏はなかなか気に入った演奏を見つけられなかったのだが、一番いいと思ったのはこの(↓)エフゲニー・コロリオフの演奏 ♪



なんだか、最近コロリオフとよく出会う…(^^;)♪




以上、主な出典記事は下記。

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