…というか、「主よ、人の望みの喜びよ」(↓)や「羊は憩いて草を食み」などの有名な曲で、何となく伴奏の方を主旋律だと勘違いしている自分に気づいてしまったのだ…(^^;)。
きっかけは、BWV12 のカンタータ第4曲のアリアである。オーボエの旋律がとても魅力的で、アルトの歌との絡みが何とも言えず素晴らしかったのだ。
伴奏というより、もう一つの主題(対旋律?)のように存在感がある。
その出だしは、オーボエと通奏低音が前奏を奏でる。
で、アルトが歌い出すとこんな感じ(↓)になる。
それで思い出したのが、BWV147 のコラール「主よ、人の望みの喜びよ」に関する次のような解説(ブログ『孤独のクラシック』の記事)。
「単純なコラールの旋律と、華々しい、時には神々しい伴奏との組み合わせが絶妙で、天才的なのがバッハのすごいところ」
冒頭に載せた楽譜はその出だしで、コラール旋律は少し後に登場する(↓)。この楽譜は IMSLP からお借りしたものだが、誰かが旋律のところに印をつけたようだ…(^^;)。
「羊は憩いて草を食み」についても同じようなことが言える。出だしのフレーズ(↓)がとてもキャッチーなので、強く印象に残るのだが…。
BWV140 に出てくるコラール「目を覚ませと呼ぶ声が聞こえる」(BWV645)も同じような感じだ。冒頭の前奏部分を主旋律と「感覚的に」勘違いしていると思う…(^^;)。
チェロとピアノの編曲(↓)を見ると分かりやすい。これが出だし。
で、チェロが主旋律(コラール)を奏でる部分がここ(↓)。
…と見てきて思ったのは、こういう作曲技法が当時普通にあったのか?ということ。少し調べてみたが、「主よ、人の望みの喜びよ」についての簡単な解説を見つけた。
「バッハはあらかじめこのコラールのメロディーにマッチするように別のメロディーを考え、あとで合体させたわけですね。…こんな風にコラールのメロディーを一フレーズずつ出しながら、あらかじめ用意した別の音楽とからめて演奏するやり方をコラール幻想曲、コラール・ファンタジーといいます」
なるほど、「コラール・ファンタジー」というのか…。また、勉強することが増えてしまった…(^^;)。それにしても、コラールにマッチする別の(素敵な)メロディーはどうやって作るのだろう? バッハの天才的感覚なのだろうか…?
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