ショパンコンクールの準備状況は?とかオンラインになる可能性は?とかいった、今年のショパンコンクールはどうなるんだろう?という疑問に、ショパンコンクールの事務局長?(head of the Competition Office)の Joanna Bokszczanin さんが回答する形。
まぁ、基本的には現地ワルシャワで、観客を入れて開催する方向で、いろいろと準備して頑張っている…といった内容なので、とりたてて新しい情報のようなものはない。
…が、エリザベート王妃国際音楽コンクールやルービンシュタイン国際ピアノコンクールやリーズ国際ピアノコンクールなどが「オンライン」を採用したことに対して、ショパンコンクールだけは違うんだ…といった「特別感」を醸し出している印象がなくもない…。
「そういう(オンラインという)不完全なやり方を採る考えはない」とか、質問の中に「ショパンコンクールはオリンピックと比較されることがあるようだが…」などといった表現が出て来たり…(^^;)。
さて、どうなることやら…。以下、おおまかに意訳してみる。ご参考まで…。
ショパンコンクールの準備状況は?
現在、予備予選(the qualifying round)をワルシャワ・フィルハーモニックホールで 7月に開催することを最優先と考えて準備している。1年以上もこの予選に参加するために待たされている 163人のピアニストがいる。10月の本選に進む 80人を速やかに選ぶことは我々の責務である。
主催者側、コンペチタ、審査員、メディア、聴衆などすべての人にとって、これまでとまったく異なった経験となるだろう。
ショパン協会は候補者たちと連絡をとっているか?彼らはどうしている?
メールや電話で常に連絡をとるようにしている。予備予選に来れるかどうかは重要なので。大多数は 7月にワルシャワに来て、可能なら聴衆の前で、少なくとも審査員団の前で演奏する準備はできている。
予備予選をオンラインで行う選択肢について審査員団はどう考えている?
審査員はオンライン審査に熟達しているが、オンラインに頼ることについては意見が分かれている。エリザベート王妃国際音楽コンクールなどの権威あるコンクールでオンライン方式が採用されたことは承知しているが、ショパンコンクールの審査員のほとんどは伝統的なやり方(ホールで聴衆を前に…)を支持している。
だから「オンライン・ショパンコンクール」はあり得ない?
各方面との相談や慎重な調査を長期間やった結果、オンライン形式案は排除している。そういった不完全な選別方式からは離れようと考えていることをここで表明しておきたい。
審査員側からの問題だけでなく、コンクールの主役であるピアニストたちの感情も考慮すべきだ。彼らはビデオ審査やカメラだけに向かって演奏することには不満を持っている。
若い彼らにとって、カメラだけに向かって演奏することは苦痛であるし、音楽的な力を十分に発揮できないと感じている。
去年の経験や専門家の意見からも、今年の夏の疫学的状況は改善して、「ライヴ」で実施できると信じたい。
ショパンコンクールはオリンピックと比較されることがあるようだが、アスリートの場合、準備に長期間かかり予定変更はマイナスの影響が大きい。ピアニストも同様?
コンクールの延期や日程変更などはピアニストの準備を難しくする。ピアニストの精神状態にも悪影響があるだろう。
ピアニストたちは 1年以上にわたってやきもきさせられ、疲れている。レパートリーを一旦脇に置いて、もう一度新鮮な気持ちと熱意で取り組める能力は、すべてのピアニストが持っているわけではない。また、彼らは聴衆を前にしての練習もできないと訴えている。
7月に完全にロックダウンとなったらどうする?
従わざるを得ない。でも、それは最後の手段だ。
現時点では、問題点を明らかにし解決策を見出すことにすべての努力を惜しまない。また、ポーランドと各国の間の移動に関する規制についてもチェックしている。事態が改善することを祈っている。
審査員団の安全をどうやって確保するのか?
まず、7月までに審査員全員がワクチンを接種する。審査員だけでなくすべての関係者の感染リスクを最小限に抑える対策をすべて実施する。
コンクールは生の聴衆を含むのか?
様々なシナリオを想定している。聴衆の存在はショパンコンクールにとって非常に重要だ。聴衆がコンクールの雰囲気を作り出し、ピアニストたちに翼を与え、ワルシャワを世界の音楽の中心とする。
チケットを買った人たちはワルシャワ・フィルハーモニック・ホールでコンクールを体験することを待ち望んでいる。
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