Slipped Disc の記事にルカくん(リュカ・ドゥバルグ:Lucas Dubarge)のインタビュー記事(↓)があって、なかなかいいことを言っているので嬉しくなった。
「挑発的(物議を醸す)」かも知れないと前置きしながら、こんなこと(↓)を言っている。以下、長文引用(英語からの意訳)。
「パンデミックは文化に大きなダメージを与えたが, 芸術にとっては非常に良かった」
「芸術は精神的なもの、生死に関わることである。単なる娯楽ではない」
「芸術は精神(内面)生活、人々の心の中で起こることを扱う。表面的なこと(どのくらい有名か、何人の人が CD 聴いているか、等)とは無関係」
「芸術家とは、パンデミックのような大きな問題を知りながらも生き続け、可能な限り創造していく者である」
「食べる物もなく職も失ったら精神生活を営む暇なんかない…という人がいるかも知れない。…しかし、人類の歴史の中には証拠がある。恐ろしい状態の中でも作曲し続け、絵を描き続けた偉大な人々が存在したという…」
意訳を試みながら、実はちょっと不安になってきた。
個人的には、彼がここで言っていることは至極真っ当なことだし、とくに「人類の歴史」の話には説得力があると思う。よくぞ言ってくれた!と嬉しかった…(^^)♪
…のだが、現代の風潮?からすると、あるいは今の若い人たちからすると、そもそもこういう内容はちゃんと理解されないのではないか?…という不安?がよぎったのだ。
いや、若い人たちだけでなく、世界のリーダーの中には、今回のパンデミックの中で芸術や音楽を軽視する言動も見られた。音楽関連予算の削減や廃止、あるいは音楽教育の縮減といったニュースも少なからずあった。
考えてみると、私自身、音楽やピアノに関する情報はほとんどインターネットから得ているし、音楽を聴くこともネットの音源を利用している。
そして、そこで読む記事の多くが「精神的な芸術」としての音楽というよりも、「娯楽(エンターテイメント)」としての音楽の話や、「音楽ビジネス」あるいは「音楽家の浮き沈み」?の話のような気もする。
「芸術としての音楽」を語る音楽評論家も、吉田秀和さん以降はいないような…? いや、たぶん私が知らないだけなんだろう…(^^;)。
クラシック音楽の低迷が言われ始めて久しいが、その一つの原因が「精神的な芸術」としての音楽があまり語られず、そういう音楽がほとんど創造されなくなったから…というのは言い過ぎなんだろうか?
ルカくん(リュカ・ドゥバルグ)のこの言葉(↓)は力強い。こういう発言をする音楽家がいることに、私も「希望を得たい」と思う ♪
「芸術はパンデミックに屈しない。人類の歴史には多くのパンデミックがあったが、芸術はそれによって豊かになってきた。私はこのことから希望を得たいと思う」
なお、あとで分かったことだが、このインタビューは本人の Facebook に上がっている。動画では、コンサートで演奏したラフマニノフのピアノ協奏曲第4番のことなども語っている。(英語で喋っていて、字幕はロシア語…(^^;)…)
また、本人の公式サイトの News ページにも載っている。
ちなみに、このロシア・ツアーは 3月7日〜19日の日程で、St. Petersburg、Yekaterinburg、Moscow、Chelyabinsk、Perm で行われる(行われた)もの。
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