正式なタイトルは「わしらの新しいご領主に」(Mer hahn en neue Oberkeet)。
BWV212 🎼バッハの作品一覧/Wikipedia
これも「コーヒーカンタータ」と同じピカンダーという人の作詞。
実は、ピカンダーという人は荘園領主に仕える徴税官でもあった。そして、この荘園に新しい領主が就任することになり、その就任祝いのイベントの出し物として、「詩人」ピカンダーが台本を書いて、バッハに作曲を依頼したのがこのカンタータ。
詳しいことは下記記事に解説がある。
✏️コントにバッハが音楽をつけた!バッハ『農民カンタータ』(前半)(孤独のクラシック ~私のおすすめ~)
✏️つらい仕事のあとは居酒屋で憂さ晴らし。バッハ『農民カンタータ』(後半)(孤独のクラシック ~私のおすすめ~)
以下、上の記事から概要をメモしておく。
このカンタータは 30分ほどの愉快な小芝居(コント)に音楽を付けたもので、序曲(シンフォニア)と 23曲の歌から構成されている。
前半と後半の二部構成になっており、前半では、登場人物である農民の男女の二人が、「新しい領主様が来たぞ、と、領主を持ち上げたり、からかったり、愚痴を言ったり…」といった掛け合いがコントのように展開される。
後半はふたりの歌合戦になり、「お互いに、前半の田舎っ臭さをぬぐうべく、背伸びして都会のおしゃれな歌を競いますが、それが滑稽でもあり、また優雅な宮廷音楽を村人に聴かせる機会にもなっている」といった感じ…。
「狂言風カンタータ」とも書かれているようだ。
上の記事にある「歌詞」を見ながら(ドイツ語はまったく分からないので…(^^;)…)YouTube の音源を聴いてみた。歌手は衣装をつけて、演技をしながらなので、何となく雰囲気は伝わってくる ♪
演奏は Orchestra of the J. S. Bach Foundation(バッハ財団オーケストラ)、Rudolf Lutz(指揮・ハープシコード)、Sibylla Rubens(ソプラノ)、Dominik Wörner(バス)。
ちなみに、ピカンダー(Picander、本名 Christian Friedrich Henrici、1700‐64)という人はバッハの多くの作品に関わっていて、カンタータだけでなく「マタイ受難曲」や「クリスマスオラトリオ」の作詞者でもあるそうだ。
この「農民カンタータ」と「マタイ受難曲」の詩が同じ人によって書かれたというのはちょっと不思議な気もするが、音楽も同じ J.S.バッハによって作られたワケで…(^^;)。
人間には多面性があるのは当然なので、何の不思議もない筈なのだが、どうも「大バッハ」というイメージに囚われすぎているのかも知れない。
バッハは「どんな音楽でも作れる」と言っていたそうだが、ある意味では「職人的」な誇りを語っている言葉ともとれる。コントでも峻厳な「受難曲」でも何でも作れる…と。
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