「シャコンヌ」というとバッハ-ブゾーニの派手なピアノ曲を思い浮かべるのだが、実はブラームスも編曲していて、しかも左手のためのピアノ練習曲なのだ。
…というのを、昨日の記事《Bach100: ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004 はパールマン ♪》を書いているときに知った。立派な楽譜もある(↓)。
で、YouTube を探したらソコロフの音源を見つけて、これがやや地味(ブゾーニと比べると…)ではあるが、深みのあるなかなかいい演奏(曲)なのだ ♪
ブライトコップ & ヘルテル社の楽譜 |
調べてみると、この無伴奏ヴァイオリンのパルティータ第2番 BWV1004 第5楽章「シャコンヌ」は、後世の作曲家によって実に様々に編曲されている。
次々に聴き始めたら止まらなくなって、ほぼ丸一日の「シャコンヌ三昧」となった ♪
ピアノ愛好家が一番親しんでいるブゾーニのシャコンヌ
ピアノ音楽のファンにとって、まず思いつくのは「バッハ - ブゾーニのシャコンヌ」だろう。元の BWV1004 をぜんぶ聴いたことのない人でもこの「シャコンヌ」だけは知っているという人も多いだろう。私もほぼそれに近い…(^^;)。
多くのピアニストが弾いている。グリモーの男性的?な演奏(↓)もいいと思う ♪
ブラームスのピアノ編曲は左手のための練習曲
ブラームスの編曲は左手のためのピアノ練習曲で、「ピアノのための5つの練習曲 Anh. Ia/1」の中の第5曲目なのであまり知られてないかも知れない。
一説によると、クララが右手を故障しているときに、彼女のために作ったとされている。この編曲が一番原曲に近いそうだ。かなり難易度が高いと思われる。
私が気に入ったソコロフの演奏がこれ(↓)。
♪ Sokolov - Bach-Brahms Chaconne for the left hand alone.wmv
トリフォノフの演奏(↓)は動画なので、どう弾いているかが分かる。
ブラームス: バッハのシャコンヌ/左手のための編曲/ブライトコップ & ヘルテル社/ピアノ・ソロ
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トリフォノフの演奏(↓)は動画なので、どう弾いているかが分かる。
ご参考:ブライトコップ & ヘルテル社の楽譜(↓)。
ハープシコードで聴くとなかなか素晴らしい ♪
少し前に素晴らしい「ゴルトベルク」を聴かせてくれた(↓)、若きハープシコード奏者ジャン・ロンドー(Jean Rondeau)が、ブラームスの「左手のためのピアノ練習曲」を両手で!弾いている。これも素晴らしい演奏だ ♪
その演奏がこれ(↓)。元々ハープシコードの曲だったのでは?と思えるほど…(^^)♪
オルガン曲としても合っている!
オルガンへの編曲もいくつかあるようだ。これも、元々がオルガン向けの曲ではないかと思われるほどしっくりくる。バッハは鍵盤楽器で弾く音楽を無理やり?ヴァイオリン一本に押し込めようとしたのでは?…と思えるほどだ。
オーケストラで聴くのもなかなかいい ♪
管弦楽曲としては、斎藤秀雄氏の編曲が(日本では?)有名だと思う。小澤征爾さんのサイトウ・キネン・オーケストラの持ち歌?でもある。弦楽器のハーモニーも実にいい ♪
海外のオーケストラによる演奏もある。
他にもレオポルド・ストコフスキーの編曲がある。どちらもいい感じなのだが、個人的には斎藤秀雄編曲版の方が好きかも…(^^)♪
ピアノ伴奏を付けたものも!
そしてちょっと驚いたのは、シューマンがピアノ伴奏を付けた編曲をしていること。
シューマンは、メンデルスゾーンがピアノ伴奏を付けたものを聴いて気に入って、その後バッハの無伴奏パルティータとソナタの研究を進めており、その 6曲全部にピアノ伴奏をつけた版を1853年に出版している…のだそうだ。
聴いてみると、「無伴奏」に慣れている耳にはやや違和感がなくもないが…(^^;)。
メンデルスゾーンはバッハ(マタイ受難曲)を復活させたことで有名だが、無伴奏ヴァイオリン曲もピアノ伴奏を付けることで一般の聴衆が聴きやすくなると考えたのかも…?
その当時、ヴァイオリン単独の曲があることが認知されておらず、元々なんらかの伴奏がついていたに違いないと思われていた…という説もある。
他にも、ギターやフルート、あるいはチェロ用に編曲したものまである。この辺りは少し聴いてみてあまり気に入らなかったので最後までは聴いていない…(^^;)。
それにしても、両手で弾くピアノ曲や、ハープシコードやオルガンやオーケストラで聴くと、この曲をヴァイオリン一本で弾いてしまう凄さを改めて感じてしまう。
いやぁ〜堪能した…(^^)♪
2 件のコメント:
ぴあさん、はじめまして。
りんごのピアノブログのりんごと申します。
ぴあさんのブログは本当に素晴らしいですね!いつも参考にさせていただいてます。
私はブゾーニ編曲のシャコンヌは弾きましたが無謀な挑戦でした(^_^;)ブラームスのシャコンヌも右手を手術中に弾いていましたが難しかったです💦オーケストラの演奏もいいですよね!いろいろ聴いてみたいと思います(^^)
これからもブログの更新を楽しみにしております。
りんごさん、訪問&コメントありがとうございます ♪
ブゾーニ版もブラームス版も私には到底無理です…(^^;)。こういうのが弾ける(練習できる)人たちが本当に羨ましく思います。まぁ、自分のできる範囲で「挑戦」を続けるというのが私のスタイルなので、ブラームス版を「両手で」弾くというのは、いつか出来るようになるかも知れませんが…。
「右手の手術中」はブログを拝見して理解しましたが、大変なのでしょうね…。私などは、今練習中のリストで、10度の和音を無理やり弾いて小指が痛いと毎日グチってますが、そういうレベルではないのでしょうね…。
これからもよろしくお願いします。りんごさんのブログもときどき拝見させて頂きます ♪
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