2021年2月9日火曜日

マルティヌーのピアノ協奏曲・ピアノソナタいい ♪:2日で評価を覆す…(^^;)

2〜3日前に初めて名前を知ったチェコの作曲家、ボフスラフ・マルティヌー(Bohuslav Martinů)のピアノ曲について一昨日この記事(↓)を書いた。


この中に、2台ピアノのための協奏曲もピアノソナタも「あまり好みの曲ではない」と書いたのだが、早くも「前言を覆す」ことになってしまった…(^^;)。


ボフスラフ・マルティヌー


こういうのを「舌の根の乾かぬうち」というのだろうが…(^^;)…、記事を書いたあとに聴いたいくつかの演奏でまったく私の感じ方が変わってしまったのだ。


「2台のピアノのための協奏曲 H.292」の方を見直すきっかけになったのは、この CD(↓)。児玉麻里&桃の姉妹による演奏。オーケストラはローレンス・フォスター指揮のマルセイユ・フィルハーモニー管弦楽団。

マルティヌー : 2つのヴァイオリンのための協奏曲、2台のピアノのための協奏曲 

 


この CD の紹介記事(e-onkyo music)に、

…(この曲は)1943年の作。この後マルティヌーは作風を変え、チェコの民族色香るわかりやすいものになっていきますが、当曲はまだ兇暴で驚くほど複雑な様相を呈しています。ひたすらガンガン弾くと混沌の世界になってしましますが、児玉姉妹は神業的バランスと明晰さでマルティヌーが頭に描いていた音響を濁ることなく再現しています。非常な生命力に満ち、聴けばエネルギーをもらえます

…という解説があって、やはり「兇暴で複雑な」曲なんだ…と思い、でも児玉姉妹は「マルティヌーが頭に描いていた音響を濁ることなく再現」している…というのを読んで、ちょっと聴いてみたくなり…。

そうしたら、別の曲なのではないかと思えるほど良かったのだ…(^^)♪

第1楽章のほどよい力強さも、第2楽章でときおり聴こえる美しいピアノの響きも、楽しげな第3楽章も、実にいい感じなのだ。オーケストラの響きも音楽的でいい ♪ YouTube にも音源があった(↓)。

♪ Martinu: Concerto for 2 Pianos(プレイリスト)


で、他のピアノ協奏曲もちょっと気になり、YouTube にあった 第1番 H. 149、第2番 H.237、コンチェルティーノ H.269、第3番 H.316 と、第4番 H.358「呪文」、第5番 H.366 を聴いてみたのだが、残念ながら私の好みに合うものには出会えなかった。





ところが YouTube の検索結果の下の方に「他の人はこちらも…」というのがあって、その中の「シンフォニエッタ《ラホヤ》H.328」というのがあって、何だろうと思って聴いてみたら、これが小規模のピアノ協奏曲で、とてもいい感じだったのだ…(^^)♪


David Švec という指揮者&ピアニストが弾き振りしている。


…ということで、マルティヌーのピアノ協奏曲としては、私のオススメは「2台ピアノ」とこの「シンフォニエッタ」ということになる。現時点では…(^^;)。


で、もう一つの反省が「ピアノソナタ」。2日前の記事に「ソナタのような大規模な作品よりも、小品集などにいい感じの曲が多いような印象」と書いたが、それは撤回…(^^;)。

こちらの方は、見直すきっかけになったのはこのブログ記事(↓)。



この記事にこんなこと(↓)が書かれている。

(多くの作品の中で)ピアノ独奏曲の傑作といわれるのは、《幻想曲とトッカータ》(H281)と唯一の《ピアノ・ソナタ》(H350)

1954年に作曲された《ピアノ・ソナタ》はマルティヌーの主要なピアノ独奏曲のうち、最大規模で最後に書かれたもの。親しい友人であったルドルフ・ゼルキンに献呈されている…。ゼルキン自身は…リサイタルでベートーヴェンのハンマークラヴィーアを弾く前の曲として、このソナタを良くプログラムに載せていた


そうなのか、ルドルフ・ゼルキンが弾いていたのか…と感心しながら、R.ゼルキンの演奏は見つからなかったので、同じ音源をもう一度聴いてみた。チェコのルドルフ・フィルクスニー(Rudolf Firkušný)というピアニストの演奏。

すると、何だかいい曲に聴こえてきた…(^^;)。

さらに他のピアニストの演奏を探すと、YouTube にこんなプレイリスト(↓)があって、実に沢山のピアニストが弾いていることを発見!


ちょっと聴いてみたが、Paul Kaspar の演奏あたりが好きかも知れない。パウル・カスパーは前の記事を書いたときに「パペット(操り人形)」という作品集を弾いていたチェコのピアニストだ。


…ということで、ボフスラフ・マルティヌーは知る人ぞ知る大作曲家なのかも知れない。

ただ、400を超える作品があって、チェコ→パリ→アメリカ→ヨーロッパと時期によって作風も色々に変化した人のようなので、どの作品を聴いたらいいのかがよく分からない。

なので、例えばピアノ作品であれば、有名ピアニストとかが聴くべきピアノ曲を演奏・録音してくれてその良さを教えてくれるといいのに…と思う…(^^)♪

音楽というのは演奏によってまったく違う印象になるし、聴く方の状態や心構え?によって感じ方が変わってしまう。…ということを、今回は身をもって学んだ…(^^;)。


おまけ。ボフスラフ・マルティヌーの作品番号は "H." で始まるが、これは、ベルギーの音楽学者、ハリー・ハルプライヒ(Harry Halbreich、1931 - 2016)の頭文字。年代順になっている。

彼は世界で初めてマルティヌーの作品目録を完成させた人。

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