今回のリーズは「ポール・ルイス改革」がどう評価されるのか?ちょっと気になっていたので記事を探してみたが、淡々と結果を伝える記事が多く、それなりに論評しているのは "the Guardian" の次の記事くらい…。
✏️US pianist Eric Lu wins top prize at Leeds competition
"the Guardian" と言えば、前回(2015年)のリーズ国際ピアノコンクールでは、
It is the end of an era at Leeds. (リーズの時代は終わった)
…という大胆な文から始まる、リーズ国際ピアノコンクールの結果に対する疑問を呈した記事を載せていた。
今回の "the Guardian" の記事はとても好意的な記事になっている。意訳・抄訳すると…。
まず、私が「新装開店」と書いた今回のコンクールを "the rebooted competition" と表現している。過去に "Radu Lupu, Murray Perahia, Mitsuko Uchida and András Schiff" といった錚々たるピアニストを輩出したリーズも、最近は "old-fashioned" となり結果が出ていなかった。
そして、ポール・ルイス、アダム・ゲートハウスによる今回の改革につながる。
参考:《リーズ国際ピアノコンクール、復活なるか?ー新ヴィジョン発表!》
課題に室内楽と現代ピアノ曲が加えられ、レパートリーの選択に関する短い作文の提出も義務付けられた。こうしたことが、より成熟したピアニストを選ぶことにつながった。
マスタークラス、審査員やコンペチタによる学校などのへの訪問、街中の様々な広告なども、街を10日間ピアノ一色に染めるのに役立った。2012年や2015年には、コンクールをやっていることを知らない人も多かったのに…。今回、聴衆や地元民にも好評だった。
medici.tv の力も大きかった。140カ国の 50万人の人がライヴや録画を楽しんだ。ネット視聴者による人気投票も行われ、3位入賞の Xinyuan Wang が選ばれた。地元英国出身のピアニストは相変わらず少なかった。24名中 2名いたがファイナルには進めなかった。
1位になったエリック・ルーには忙しい日々が待っている。9月20日には "Royal Liverpool philharmonic orchestra" とのコンサート。そして、ウィグモアホール、サウスバンクセンターと続く。韓国やヨーロッパのツアーも…。Warner Classics からアルバムも出る。
審査員は各ラウンドの "performances"(だけ)に基づいて審査をした。審査員どうしは相談してはいけないことになっている。しかし、結果としてどのラウンドも皆が同じ意見だったようだ。(there has a form of consensus)
そしてもう一つ、いつも辛口の記事の多いノーマン・レブレヒト氏も、結果やエリック・ルーのコメント以外に「評論」らしい言葉としては一言だけ。
"The competition was refreshingly clean of manipulation thanks to the absence of teachers on the jury."
(コンクールは見違えるようにクリーンな=変な操作のないものになった。審査員に「先生」がいなかったおかげだ。)
✏️American pianist wins leeds.
まぁ、本当の評価はこれからだ。エリック・ルーの今後の活躍にもよるだろうし…。
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