日本の現代作曲家のことを知りたいと以前から思っていたのだが、ちょうど良い本を見つけた。
西村朗さんと12人の「現代日本作曲界の精鋭」の対談集である。『レコード芸術』2004年から2006年にかけての連載記事をまとめたもので、『作曲家がゆく 西村朗対話集』という本である。
春秋社から、2007年5月に出版されている。
登場する作曲家は、池辺晋一郎、三輪眞弘、佐藤聰明、中川俊郎、近藤譲、三枝成章 、新実徳英、吉松隆、北爪道夫、川島素晴、野平一郎、細川俊夫の12人。それと、西村朗さんをいれると13人(音楽評論家の石田一志氏と西村朗さんの対談もある)。最後に、ピアニスト高橋アキさんとの対談も入っている。
有名人もいれば、私としてはピアノを練習し始めてから名前を知った作曲家(近藤譲、吉松隆、野平一郎、細川俊夫)もいれば、初めて聞く名前もある。
ちなみに、ちょっと前に読んだ『西村朗と吉松隆の クラシック大作曲家診断』という本は、別の意味でとても面白かった。
まだ半分ほどしか読んでないのだが、読書メモや感想文は1回では終わりそうもないので、とりあえずご紹介することにした。
この本のお薦めポイントは、何と言っても西村朗さんが「現代日本作曲界の精鋭」の一人であることである。同じ業界で影響を受けあったり切磋琢磨?している人どうしの対話なので、話が音楽や作曲について同じ(種類の)問題意識を共有しながら進む。
といって、専門家同士の難しい話ではなく、あるレベルの音楽ファンであればいろんな角度から楽しめる会話になっていると思われる。
私自身は、聴いたことのない曲(現代音楽、オペラなど)の話については、本当のところは分かっていないと思うが、それでも話自体は十分に楽しむことができる。
感想メモはそのうち書くつもりだが、今日は一つ発見?したことを書いておく。
一昨日の記事、《浜松国際ピアノコンクール:プレゼン資料が分かりやすい》で、課題曲の邦人作品のことを書いているときに、三輪眞弘という名前に聞き覚えがあったのだが、そのときは思い出せずにいた。
で、今日この記事を書きながら本をめくっていると、なんと2人目の対談者が三輪眞弘さんだったのだ。数日前に読んでいたのに、思い出せないとは…。(歳のせいとは思いたくないのだが…)
西村朗さんによる紹介が面白い。
コンピュータ音楽の最先端をゆく三輪眞弘氏は、一種神秘的な、あるいは神がかり的な雰囲気を持った作曲家である。そのまなざしは、いつも不思議な憂いを伴って、超現実の時空を見つめているかのように潤み輝いている。…
三輪眞弘という作曲家は、最初の音楽経験がロックバンドということもあり、どんなピアノ曲を書くのか楽しみである。
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