《近況:曲の「仕上がり」レベルをどう判断するか?》の続きで、少し練習方法などを考え中である。
会社時代を思い出しながら、技術レベルと音楽性の2つの軸(↓)で練習のプロセス・進歩の様子を考えてみた。
新しい曲の練習を始めた段階が左下の「練習開始」のところで、技術的にも音楽的にも低い状態にある。
練習をしていくうちに、技術的にも音楽的にも進歩していくが、そのうちに「実力限界」に達する。ここでは、今の実力ではここまでしか出来ないかなぁ、と感じる段階である。これまでは、この辺りで良しとして(自己満足して)終わりとすることが多かった。
で、最近感じ始めたのは「実力限界」では、どうも自己満足もできなくなってきた、ということなのだ。簡単に言うと「もっと上手くなりたい」という欲が出てきたのだと思う。
問題は、じゃあ「どこまで出来ればいいのか?」ということである。そのレベルを仮に「希望的イメージ」と呼ぶことにする。それは「①今の実力プラス現実的な努力で到達可能なゴールイメージ」である、と書いてみたが、まだはっきりしない。
本当はその先にその曲の「理想イメージ」があるのだが、それは私の場合、お気に入りのピアニスト(プロ)の演奏であって、とても到達可能なものではない。
なので、「希望的イメージ」とは「理想イメージ」に少しでも近づく、例えば部分的にでも似た音色が出せるようになる状態なのかもしれない。
ゴールイメージを持つのは大切だと思うが、それだけでは具体的な練習方法につながりにくい。
練習方法につなげるには、別のアプローチが必要になりそうだ。《近況:曲の「仕上がり」レベルをどう判断するか?》で書いた、「あと一息」「苦戦」「難しい」などと言っている課題の部分を改善するアプローチである。
上の図でいうと「②技術面での改善ポイント…」「③音楽面での改善ポイント…」の部分だ。その課題がクリアできれば、結果として「希望的イメージ」に近づくのではないか、ということである。
例えば、今練習中のシューベルトの即興曲で言えば、
②技術面での改善ポイント
・難所をクリアして音楽を途切れさせない
・小さい音でもくっきりした音を出す
③音楽面での改善ポイント
・右手和音のメロディーをもっと歌う
・アルペジオ部分でも内声のメロディーを歌わせる
…といった感じになるだろう。
そうすると、②の技術的課題と③の音楽的課題がクリアできたあとの演奏イメージとして、①のゴールイメージが見えてくるのではないかと思われる。
あとは、②と③の「改善ポイント」にどういうものがあるか、という問題だ。これは、ある程度共通項目がありそうだが、曲によっても違ってくるような気もする。
まぁ、もう少し考えてみるとするか…。
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