2015年11月24日火曜日

浜松国際1〜2日目の感想:予想以上に面白い♪

浜松国際ピアノコンクール、第1次予選の1・2日目の演奏を聴きかじった範囲での感想。「聴きかじった」というのは、全部は聴いてないということ。たまたまライブを聴いたか、時間の許す範囲で何となく気になった演奏(録画)を聴いたという範囲。

全体的な印象としては、予想以上に楽しめそう、という感じ。いろんな曲が聴けるのを楽しみにしていたが、出場者もそれぞれに個性的で面白い。レベルも、実はそんなに期待していなかったのだが…(^^;)、2日間聴いた感じでは、リーズやロンティボーより間違いなく上だと思う。


聴いた範囲で、とりあえずいいと思ったのは、ベラルーシのアンドレイ・シチコ。ハイドンのソナタは熟練のピアニストという印象で好ましかった。バラキレフの「イスラメイ」も迫力があってよかったのだが、最後の方でやや乱れ(疲れ?)が見えた。独特の風貌(ベラルーシの刈り上げ君!)も大器の片鱗を感じさせる?

インパクトの大きさでは、チャン・リュウ(中国)の「火の鳥」。まるでオーケストラのような迫力で、ピアノでここまでの表現ができるのかと驚いた。細い体で、ほとんど乱れも見せずにダイナミックに弾ききった。ハイドンのソナタはちょっと感情過多かと思ったが、「火の鳥」の方は印象に残る演奏だった。


ベートーヴェンのソナタがイマイチの演奏が多い中で、セルゲイ・ベリャフスキー(ロシア)の「熱情」とジャンミッシェル・キム(フランス)の第10番はよかった。「熱情」はベートーヴェンらしい正統派(少し硬かったが…)。第10番はベートーヴェンらしからぬ?美しさ。

セルゲイ君の方はプロコフィエフも素晴らしかった。「悪魔的暗示 Op.4-4」という曲はこのコンクールで初めて聴いたが、もう一人の演奏では面白くなかったのだが…。演奏でこれだけ曲の印象が変わるのかと、改めてびっくりした。


あと、印象に残ったのはロシアのゲルマン・キトキン。ハイドンのソナタは割と好きな演奏だった。ただ、ラヴェルの「ラ・ヴァルス」の方は、ちょっとコサック・ダンスのような?(ワルツに聞こえない…)特徴のある演奏で、あまり好みではなかった。良くも悪くもロシア的ということかも。印象的ではあったが…。

その他、聴いた中でまあいいんじゃないかと思ったのは、キム・ミョンヒョン(韓国)とファン・リーシャン(中国)。日本人では、残念ながらこれといった演奏にはお目にかかれなかった。


曲としては、上にあげた「火の鳥」(I. ストラヴィンスキー/G.アゴスティ)、「悪魔的暗示 Op.4-4」以外に、面白いと思ったのは、プロコフィエフの「トッカータ ニ短調 Op.11」、W.ボルコムという作曲家の「3つのゴースト・ラグ」より ポルターガイストなど。


第1次予選はあと3日ある。まだまだ知らない作曲家や曲がある(↓)ので、それも楽しみにしている。もちろん、もっとすごいピアニストや演奏と出会うことも期待できそうである。

L.アウエルバッハ:24の前奏曲 Op. 41
T.アデス:歌劇「彼女に化粧を」による演奏会用パラフレーズ
R.シチェドリン:バッソ オスティナート
S.フェインベルグ:チャイコフスキー「悲愴」交響曲より編曲
F.マルタン:8つのプレリュード



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