文末に一覧表を載せてある。個人的な総合評価(好み)で「A: 良い、B: 普通、C: 好みじゃない」の3段階を基本にして、気持ちで「プラス/マイナス」をつけた。Aランクには黄色(A)またはオレンジ色(A-)の網掛けをした。
また、Aランクには、聴いた中で一番いいと思った「お薦めの音源」を一つだけ記載してある。クリックするとYouTubeにとぶ。
結果として、Aランクとしたのは、ショパンのラファウ・ブレハッチとバッハのコンスタンチン・リフシッツ。
ブレハッチのショパンは、2005年ショパン国際ピアノコンクールで「完全優勝」(マズルカ賞などの副賞も総なめ)しただけあって安心して聴ける。一昨年(2013年2月)チケットを購入したリサイタルが直前で中止になった(ブレハッチがインフルエンザにかかった…)のは、本当に残念だった。
彼のショパンは私の好みの演奏である。ただ、独奏曲はもう少し「しっとり感」のようなものが欲しいと思う。ややドライ。どちらかというと、「お薦めの音源」にあげたような協奏曲の方があっているかもしれない。他の作曲家の曲ももう少し聴いてみたい。聴いた範囲では、ドビュッシー、シマノフスキーがいい。
リフシッツのバッハは素晴らしい。しっとりとした空気感のような特別の印象を感じる演奏である。ただ、バッハ以外の演奏は、YouTubeで見つけた範囲ではイマイチであった。この人もかなり曲(作曲家)を選ぶピアニストかもしれない。
「お薦めの音源」に入れた「ゴルトベルグ変奏曲」は、18歳の録音だと言うから驚く。グラミー賞にノミネートされたのも頷ける。ちなみに、2012年に演奏したCD『J.S.バッハ : ゴルトベルク変奏曲 BWV988』(↓)も最近発売されたようだ。
イリーナ・メジューエワ。ロシア人で、同じロシアの作曲家メトネルの演奏はなかなかいいと思う。たぶん、曲とこの人の弾き方(感性?)があっているのだと思う。近いイメージのショパンも悪くないが、やはりベートーヴェンなどは厳しい。作曲家・曲を選ぶピアニストだろう。(まぁ、オールラウンドのピアニストはほとんどいないと思うが…)
コルネリア・ヘルマン、この人もバッハのイタリア協奏曲を聴いたときにはとてもいい感じだと思った。のだが、いくつか聴いているうちに「イマイチ」感が出てきた。ブラームスの小品なんかは好感のもてる演奏なので、曲によるのだろう。
マルティン・ヘルムヘンは、もう少しでAランク。シューマン(の"Symphonic Etudes")を聴いて、初めていい曲だと思った。難しい(と思われる)曲をここまで聴かせるのはすごいと思う。のだが、やはりこの人も得手不得手がありそうだ。歌曲の伴奏などもやっているようなので、ピアノを歌わせることは得意なようだが、ときにそれが大げさすぎる(動作も音も)ような気がする。
ジャンルカ・カシオーリは、ショパンとベートーヴェンがよかった。表の「お薦めの音源」にあげたノクターンは少し変わっていて面白い。また、この人は作曲家としても期待したい。ピアノ曲は1曲だけ聴いたがわりといい感じであった。
名前 | 結果 | お薦めの音源 |
コンスタンチン・リフシッツ | A | バッハ: ゴルトベルグ変奏曲 BWV988 |
アンティ・シーララ | B | |
ジャンルカ・カシオーリ | A- | Chopin: Nocturne op. 9 no. 2 |
マルティン・ヘルムヘン | A- | Schumann:Symphonic Etudes Op.13 |
マテイ・アレンダーリク | B | |
ベン・キム | - | |
アレクサンドル・ガヴリリュク | B+ | |
ラファウ・ブレハッチ | A | Chopin Concerto N°1 Mov 1 |
ダニール・トリフォノフ | B | |
フュロップ・ラーンキ | - | |
コルネリア・ヘルマン | A- | Bach Italian Concerto BWV 971, 1/3 |
キリル・ゲルシテイン | C | |
イリーナ・メジューエワ | A- | Medtner Sonata-Ballade F# Op.27 |
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