2024年5月21日火曜日

Bach.KB.BWV1006a 組曲 ホ長調:ピアノでは藤田真央も録音しているラフマニノフ編曲の方が有名?

「J.S.バッハの全鍵盤作品を聴く」プロジェクト、今日は『バッハの鍵盤音楽』(→紹介記事)の第16章に含まれる「リュート作品」の 3曲目、「組曲 ホ長調」BWV1006a。

「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調」BWV1006 をリュート用に編曲したものである。ガヴォットが有名。ラフマニノフはガヴォットを含む 3楽章をピアノ用に編曲しており、藤田真央くんやアンドレイ・ググニンなどが弾いている ♪




BWV1006a の構成は下記。

  1. プレリュード
  2. ルール
  3. ガヴォットとロンドー
  4. メヌエット I
  5. メヌエット II
  6. ブーレ
  7. ジーグ

ルール(仏: loure)は「遅いジグ(仏:gigue lente)」とも呼ばれる、フランスのバロックダンスの一形式。有名なガヴォットの出だしはこんな感じ(↓)。




なお、リュート作品を「鍵盤音楽」として取り上げる理由、およびリュート・チェンバロについてはこの記事(↓)を参照されたい。



まずはピアノによる演奏。シプリアン・カツァリス(Cyprien Katsaris、仏、1951 - )。

(BWV1006a:トラックNo.19〜25)




リュート・チェンバロによる演奏は荒木 紅さんの CD を聴いてみた。

♪ Bachissimo /Beni Araki :アルバム
(BWV1006a:トラックNo. 1〜6)




リュートによる演奏では Göran Söllscher という人の演奏が良かった ♪ …と思っていたが、実はリュートではなく「11弦ギター」による演奏だった…(^^;)。



原曲の「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第3番ホ長調」BWV1006 をキム・スヨン(Suyoen Kim、韓国/独、1987 - )の演奏で聴いた。なかなかいい ♪

キム・スヨンは韓国人の両親のもとドイツに生まれ、ドイツを拠点に活動しているヴァイオリニスト。ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団の第1コンサートマスターを務めている人のようだ。

♪ J. S. Bach: Violin Partita No.3 in E major, BWV 1006 | Suyoen Kim | Konzerthaus Berlin


そして、ヴァイオリン・パルティータ第3番 BWV1006 の「Preludio」「Gavotte en Rondeau」「Gigue」の 3つの楽章をラフマニノフがピアノ用に編曲している。

それをアンドレイ・ググニン(Andrey Gugnin、露、1987 - )が 2019年のチャイコフスキー・コンクールで弾いている音源(↓)があるのだが、これがとても素晴らしいのだ ♪



藤田真央くんも弾いていて、これもそれなりにいい感じなのだが、私は、この曲に関してはググニンの方が好みかな…(^^;)。

(BWV1006 transcription:トラックNo. 4〜6)

ちなみに、ラフマニノフも録音を残している。



『バッハの鍵盤音楽』 第16章「《クラヴィーア練習曲集 第2部》およびその他の作品」に含まれる作品。

  1. BWV971 協奏曲 ヘ長調(イタリア協奏曲)
  2. BWV831 序曲 ロ短調(フランス風序曲)

  3. BWV964 ソナタ ニ短調
  4. BWV968 アダージョ ト長調
  5. BWV995 組曲 ト短調
  6. BWV1000 フーガ ト短調
  7. BWV1006a 組曲 ホ長調
  8. BWV997 組曲 ハ短調
  9. BWV998 前奏曲、フーガとアレグロ 変ホ長調


出典:

📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)



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