「トッカータ第1番」と呼ばれることがあるのは、そのように書き込まれた手稿資料が複数存在するため。また、7曲のうちではもっとも早く1801年に出版されている。
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出典:
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
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『バッハの鍵盤音楽』の著者デイヴィッド・シューレンバーグによると、BWV913 は「7曲のトッカータのうち、最もよく知られた曲」のようだ。テクスチャが比較的明快で他の曲よりいくぶん弾きやすいことも影響しているかも知れない…とのこと。
この曲は、導入のトッカータ部分、Thema(または Presto)と題されるフーガ部分(↓)、短い動機を連ねた緩やかな推移部、フーガ、トッカータ風のコーダという構成。
この曲で一番気に入ったのは、非常にゆっくり弾いているグールドの演奏。次のリヒテルが 12分強で弾いている曲を 17分ほどかけてじっくり聴かせてくれる。
"Presto" と表示されることもある導入部でさえ、別の曲かと思うほどゆったりしている。アダージョ部分では遅い上に独特のタッチがいい感じ。それが妙に説得力を持っていて、速い(と言っても他のピアニストより遅い?)フーガとの対比が見事に決まっている ♪
リヒテルも素晴らしい演奏。とくに速い訳ではない、普通だと思う…。とくに第1フーガは "Presto" と書かれることもあるわりにはゆったりしていていい感じだ ♪
その他聴いた主なピアニストは下記。
クレア・フアンチ
(BWV913:トラックNo.15〜17)
ローラン・カバッソ(Laurent Cabasso、仏、1961- )
チェンバロはグスタフ・レオンハルト(Gustav Leonhardt、オランダ、1928 - 2012)の演奏が良かった。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第7章「トッカータ」に含まれる作品は下記。
- BWV910 トッカータ 嬰ヘ短調
- BWV911 トッカータ ハ短調
- BWV912 トッカータ ニ長調
- BWV913 トッカータ ニ短調
- BWV914 トッカータ ホ短調
- BWV915 トッカータ ト短調
- BWV916 トッカータ ト長調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️バッハ :トッカータ ニ短調 BWV 913(PTNAピアノ曲事典)
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