最初に聴いたときはこの曲、あまり好みじゃないかも?…と感じたのだが、色んな演奏を聴くうちにだんだん良さが分かってきた。これも色んなピアニストが弾いている。
BWV912 は、『バッハの鍵盤音楽』の著者デイヴィッド・シューレンバーグによると、「一番出来のよいトッカータ」「全体のデザインが比類なく効果的」だそうだ。
音階の走句による導入、アレグロ、アダージョに続くフーガ(半音階的)およびトッカータ風のコーダ、そしてジーグ風のリズムによるフーガ(↓ 和声的)とコーダから成る。
複縦線に従うなら4部分(Presto / Allegro / Adagio - Presto / Fuga)だが、書法の上ではより多様なものから構成されている。
色んなピアニストが色んな弾き方をしていて、好みの演奏を決めるのに時間がかかってしまった。まぁ、別に決める必要もないのだが…(^^;)。
何となくベスト3 を選んでみた。
聴いていて一番「いいな ♪」感が強かったのが Corrado Pozzoli(コラード・ポッツォーリ?)というイタリアのピアニスト。情報が少ないのであまり有名な人じゃないかも…? BWV912 以外に「ゴルトベルク」「半音階的幻想曲とフーガ」などを録音している。
音色やタッチがよくて、表情が豊かで聴いていて楽しい。
ユリアンナ・アヴデーエワもよかった。とくに最後のフーガの勢いは素晴らしい ♪
リヒテルは全体的にバランスが取れていて、丁寧な演奏。
その他聴いた主なピアニストは下記。
(BWV912:トラックNo.3〜6)
グレン・グールド
ローラン・カバッソ(Laurent Cabasso、仏、1961- )
アレッサンドロ・デリャヴァン (Alessandro Deljavan、伊、1987 - )
アンドラーシュ・シフ
この曲はチェンバロでの演奏が映える曲かも知れない。オランダ・バッハ協会の音源で、Bertrand Cuiller という人の演奏がとても良かった ♪ 使用楽器は "Bruce Kennedy, 1989 after Michael Mietke"。
なお、『バッハの鍵盤音楽』の第7章「トッカータ」に含まれる作品は下記。
- BWV910 トッカータ 嬰ヘ短調
- BWV911 トッカータ ハ短調
- BWV912 トッカータ ニ長調
- BWV913 トッカータ ニ短調
- BWV914 トッカータ ホ短調
- BWV915 トッカータ ト短調
- BWV916 トッカータ ト長調
📘『バッハの鍵盤音楽』(小学館、2001年、デイヴィッド・シューレンバーグ 著)
✏️バッハ :トッカータ ニ長調 BWV 912(PTNAピアノ曲事典)
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