2022年9月27日火曜日

🎹近藤 譲 1947- 「線の音楽」以降は「自在の境地」?

《鍵盤音楽史:現代》 37(+2)人目の作曲家は、近藤 譲(日, 1947-)。

8年ほど前に『線の音楽』という少し難しい本に出会って、頑張って読んで、「線の音楽」という考え方の先に出てくる音楽(とくにピアノ作品)に期待をしていたのだが…。





近藤 譲(Jo Kondo、1947年10月28日 - )は日本の現代音楽作曲家、音楽評論家。高校時代より長谷川良夫に師事。 1972年東京芸術大学作曲科卒業。

在学中の 1970年、大阪万国博覧会の現代音楽祭で図形楽譜による室内楽作品『ブリーズ』を発表し注目を集めた。 1973年より『線の音楽』シリーズを発表。1977年ロックフェラー財団の招きで渡米。翌年「パリの秋」芸術祭で特集されるなど欧米でも高い評価を得た。

1980年「アンサンブル・ムジカ・プラクティカ」を結成し、現代音楽の紹介など積極的に行う。代表作は『オリエント・オリエンテーション』 (1973) 、『時の形』 (1980) など。また早くから評論も行い、著書に『線の音楽』 (1979) 、『耳の思考』 (1985) などがある。

お茶の水女子大学では副学長・名誉教授となり、2013年3月に退任。現在は昭和音楽大学で教鞭をとっている。

出典:✏️近藤譲(コトバンク)等


1979年出版の『線の音楽』という考え方による作曲を追求し続けておられるのかと思ったら、✏️近藤譲(Wikipedia)によると…。

しかしその後(「線の音楽」以降?)、線の音楽の方法論によらない極めて高度な対位法を用いた」「90年代以降の作品では、かなり複雑な音響が作られ作品ごとに従来聞かれなかった新しい質が増えた」などと指摘されている。

さらに、「線の音楽」以降は、次のようなことを主張しておられるようだ。

「一つ目の音が頭に浮かぶのを待つ」「何故その音が良いと思うのか考えながら二つ目の音を置く」「一つ目と二つ目の音を聴いて三つ目の音を」…といった手続きで「作曲」が進み、「ここで終わりかなと思ったところで終わる(そこには、さしたる意味はない)」…?

これは、凡人には理解し難い…(^^;)。単純に「自分の感性に従って音を置いていくだけ」、あるいは「気分まかせの自在の境地」とも受け取れるのだが…(^^;)?


ピアノ関連作品は下記。出典:✏️近藤 譲(PTNAピアノ曲事典)

ピアノ独奏曲
  1. クリック・クラック:1973
  2. 視覚リズム法:1975
  3. 歩く:1976
  4. 記憶術のタンゴ:1984
  5. ピアノのための舞曲《ヨーロッパ人》:1990
  6. 早春に:1993
  7. 高窓:1996
  8. 夏の小舞曲:1998 
  9. メタフォネーシス:2001
  10. リトルネッロ:2005
  11. イン・ノミネ <レスニェフスキー風子守唄>:2006
  12. 長短賦:2009
  13. テニスン歌集:2011
  14. 形は影にしたがう:2011
  15. ギャマット:2012
  16. 観想:2013

ピアノ合奏曲
  1. ピアノ奏者のために:1971 
  2. 形は影にしたがう:1975
  3. 撚り 2:1980

管弦楽付き作品
  1. ノン・プロジェクション:1971 
  2. 時の形:1980 


YouTube で、以前聴いた曲も含めていくつか聴いてみた。


これは前に聴いたときにもちょっと気に入った曲だが、わりと好きな曲だ。ただ、楽譜が表示されるという理由で次の音源も聴いてみたのだが、こちらはやや物足りない感じがした。

ピアノ:井上郷子


この曲(↓)も前回聴いていて、割と気に入っていたはずなのだが、今回はやや退屈な感じがした。音楽は聴き手の状態(TPO やそれまでの経験値など…)によって変わるものだと再認識。

ピアノ:Matthew Lee Knowles


ピアノ作品を集めた CD(のプレイリスト ↓)があったので聴いてみた。現代音楽に特有?の嫌味や難解さがほとんどなく、部分的にはいい響きが聴こえてきたりもするのだが…。

一通り聴いた印象としては、「あまり面白くない」「盛り上がりにかける?」という感じで、いくぶん退屈したかも…というのが素直な感想である。曲のせいなのか演奏のせいなのか?…までは分からない…。

♪ Jo Kondo: Works For Piano(プレイリスト)
ピアノ:井上郷子

元の CD。



収録曲は下記。
  1. Tango African
  2. Earth Prayer
  3. Seventh D
  4. Soulful Ballad
  5. Earth Speaks
  6. Cobilla
  7. Panama Viejo
  8. White
  9. Ode to MJQ
  10. Michael


オーケストラとピアノの作品も聴いてみた。16分と、ピアノ協奏曲的な編成の曲としてはそんなに長くない作品。高橋アキさんの演奏ということもあって少し期待したのだが…。

これも、同じような雰囲気が延々と続いて、聴き終わったあとも「何も残らない」という不思議な体験になった…。どうもこの手の音楽は私には合ってないのかも知れない…(^^;)?



主な参考記事は下記。

✏️近藤譲(Wikipedia)

✏️近藤 譲(PTNAピアノ曲事典)



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