練習を開始したばかりの「平均律第2巻第9番フーガ」BWV878(↓)であるが、そのテーマはとても有名なものらしいことが分かった。
「ドレファミレド」の音型が、実はかなり昔から何度も使われていたものらしい。しかも、バッハのあともモーツァルトなどに使われているようなのだ ♪
BWV878 フーガのテーマは下記。
ジョスカン・デ・プレ(Josquin Des Prez、1450/1455? - 1521)はフランス、ルネサンス期を代表する作曲家。その "Missa Pange lingua"(パンジェ・リングァ)の "Kyrie" の中の一節が下記。バッハの平均律第2巻(1738)より 2世紀以上前(1515)に書かれた作品。
そして、これ(↓)が 1658年に書かれた、フローベルガー(Johann Jakob Froberger, 1616 - 1667)の "Ricercar IV" の冒頭。
YouTube 音源は下記。
この情報は、実は BWV878 フーガのオルガン演奏を聴いたときに、その音源の解説にあったものだ(↓)。
"The fugue subject Do-Re-Fa-Mi-Re-Do goes back to Thomas Aquinas (Pange lingua, ca. 1250) and a long tradition before Bach, including works by Josquin (Missa Pange Lingua, 1515) and Froberger (Ricercar IV, 1658)."
ここには、古くはトマス・アクィナス(Thomas Aquinas、1225? - 1274)の "Pange lingua" に遡る…と書いてあるのだが、この 1250年の作品は YouTube では探せなかった。
いずれにしても、かなり昔から使われた音型のようだ。
そして、この音型の最初の 4つ「ドレファミ」は、モーツァルトがとても好んだようで「ジュピター音型」とも呼ばれている。
交響曲第41番「ジュピター」の第4楽章の第1主題(↓)に使われている。
モーツァルトは他にも、ミサ・ブレヴィス K. 192 のクレド、交響曲第33番 K. 319 の第1楽章、ヴァイオリンソナタ第41番 K. 481 の第1楽章などでこの音形を使っているそうだ。
出典✏️交響曲第41番 (モーツァルト)
実は、モーツァルトはバッハを研究する中で、BWV878 のフーガを含む、平均律曲集の 5つのフーガを弦楽四重奏曲(K.405)に編曲したりしている。編曲といっても、原曲の 4声をほぼそのまま弦楽器に移したもののようだ。
これ(↓)が、BWV878 フーガの弦楽四重奏版。エマーソン弦楽四重奏団の演奏。この曲は弦の響きともよく合うようだ ♪
ただ、モーツァルトは 8歳のときに作曲した交響曲第1番 K.16(↓)の第2楽章に同じ音型を使っているので、バッハからの引用ではないようだ。「ドレファミ」は 4:14 あたりから。
…ということで、BWV878 フーガのテーマは、多くの音楽家たちが大事に使ってきた由緒正しい?ものらしいので、おろそかに扱ってはいけない…と肝に銘じておこう…(^^)♪
フーガのテーマ=「主題」なので、当然大事にするのだけれども、この主題がフーガの中でどう展開されていくのかという「分析」もそのうちにやらなくては…。
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