《鍵盤音楽史:現代》 20人目の作曲家は、ミロシュ・マギン(Milosz Magin, ポーランド, 1929-1999)。ショパンを得意とするピアニストとしても活躍した。
2年ほど前に、ルカくん(リュカ・ドゥバルグ)の弾くピアノ協奏曲第3番でお気に入りになった作曲家である。
そして、昨年リリースされた『ミロシュ・マギンの音楽 Zal』で再会し、ヴァイオリン協奏曲やピアノの小品「祖国への郷愁」などを知ることとなる。
ミロシュ・マギン(Milosz Magin, 1929-1999)はポーランド第3の都市ウッチ(Łódź)で 1929年 7月 6日に生まれた作曲家&ピアニスト。ヨーロッパ各地を転々としたあと、1960年からは妻の Idalia Magin とともにパリに在住した。マギンの墓は、パリのショパンの墓の隣にある。
ピアノを Margerita Trombini-Kazuro に、作曲を Kazimierz Sikorski と Jan Maklakiewicz に師事し、1957年に Warsaw Higher School of Music を卒業している。
ピアニストとしての活動は、1963年の左手首故障で一時中断したが、のちに復活して 1968年からは Decca でショパンの全作品録音を開始している。ピアノの弟子としては、 Jean-Marc Luisada などがいる。
1955年のショパンコンクールにも出場しており "honorable mention"(努力賞?)を受賞している。このときの 1位は同じポーランドのアダム・ハラシェヴィチ、2位はウラディーミル・アシュケナージ。また、1957年のロンティボーで 6位に入賞している。
作曲家としては多くのピアノ作品(4つのソナタ、4つの協奏曲、子供のための小品集など)とともに、2つの交響曲、2つのバイオリン協奏曲、チェロ協奏曲、クラリネット協奏曲、バレエ、声楽曲などを残している。
これという決まったスタイルには拘っていないが、メロディーの美しさとハーモニーやリズムとのバランスのとれた作品が多い。また、ポーランド舞曲などのリズムもとり入れている。
作品リストは下記サイトにあるが、ピアノ作品だけを抜き出してもかなりの数だ。
✏️Miłosz Magin(Polish Music Information Centre)
- Scherzo for piano (1948)
- Polka for piano (1948)
- Danse de la sorcière for piano (1948)
- Cracovienne for piano and orchestra (1950)
- Images d’enfantes for piano (1952)
- Piano Concerto No. 1 (1954)
- Toccata, Chorale and Fugue for piano (1955)
- Five Preludes for piano * (1963)
- Concerto No. 2 for piano, string orchestra and kettledrums (1964)
- Triptyque polonais for piano (1967)
- Sonata No. 1 for piano (1968)
- Concerto No. 3 for piano, string orchestra and percussion (1970)
- Petite suite polonaise for piano (1974)
- Sonata No. 2 for piano * (1981)
- Sonatine pour piano (1982)
- Images de Pologne for piano (1982)
- Miniatures polonaises for piano (1982)
- Divertimento for two pianos (1984)
- Petites danses polonaises for piano (1987)
- Rondes enfantines for piano (1987)
- Carnaval des poupées for piano (1990)
- Sonata No. 3 for piano (1990)
- Soirée dansante for piano (1995)
- Les jouets enchantés for piano (1996)
- Sonata No. 4 for piano (1997)
- Tango for piano (1997)
- Concerto No. 4 for piano, string orchestra and kettledrums (1998)
この他、上で紹介した CD『ミロシュ・マギンの音楽 Zal』で、ギドン・クレーメルとリュカ・ドゥバルグが演奏している曲が下記。ヴォカリーズはヴァイオリンに編曲したもの。
- Andante for violin and piano (1963)
- Four Vocalises for soprano and piano ( (1985)
- Four Vocalises transcription for clarinet and piano (1985)
YouTube で聴いた中では、改めて聴いたピアノ協奏曲第3番がやはり一番好きだ ♪ この音源は CD 『ミロシュ・マギンの音楽 Zal』からのもののようだ。
同じ CD に入っている「祖国への郷愁」も美しい。"Miniatures polonaises for piano" (1982) の中の 1曲。
ピアノ作品集のプレイリストが二つあった。
♪ Miłosz Magin: Piano Works 1(プレイリスト)
Magdalena Adamek というピアニストが下記を弾いている。
ポーランド三部作
3つの性格的小品
ソナタ第2番
ポーランド小品集
子供たちの印象
5つの前奏曲
♪ AP0168- Milosz Magin: Piano Works, Vol.2(プレイリスト)
Ryan MacEvoy-McCullough というピアニストが下記を弾いている。
ソナタ第1番
ポロネーズ小組曲
トッカータ、コラールとフーガ
ソナティネ
ソナタ第4番
タンゴ
ちなみに、YouTube で "Milosz Magin Chopin" と検索すると、ミロシュ・マギンが弾くショパンの演奏がたくさん出てくる ♪ 例えばコレ(↓)。
主な参考記事は下記。
✏️Miłosz Magin(Wikipedia/ 英語)
✏️リュカ・ドゥバルグとギドン・クレーメルが共演!20世紀ポーランドの作曲家・ピアニスト『ミロシュ・マギンの音楽』(Tower Records)
0 件のコメント:
コメントを投稿