昨夜寝る前に(23:00〜)medici.tv でツォトネ・ゼジニゼ(Tsotne Zedginidze)くんのリサイタル(ヴェルビエ音楽祭)を聴いた。1時間ちょっとの幸せな時間だった ♪
私が、ジョージアの天才少年ピアニスト&作曲家、ツォトネ・ゼジニゼ(Tsotne Zedginidze)くんの演奏を YouTube で初めて聴いたのはツォトネ君が 9歳のとき。
で、今回 12歳くらいになっているはずなので、背も伸びて少しお兄さんになっている。それでも、まだ童顔で手も小さい。
ただ、その小さい手で奏でられる音・音楽は素晴らしい ♪
シェーンベルクもバルトークも現代音楽だという感じがあまりしない。現代ピアノ曲の音の響きとか語法とかが身についているというのか、ツォトネくんの自然な音楽として溢れ出てくるという印象を受ける。
ドビュッシーも、とれたての果物のように新鮮で気持ちの良い響きがしていた ♪
最近、私の中でキーワードとなりつつある「有機的な演奏」そのものだと思った。有機的というのは、人間的、あるいは人間の自然な感情とのつながりだと言っていいと思う。
ツォトネくんはピアノの音がとても好きなんだと思う。ピアノの一番いい音を出すために神経を集中していて、素晴らしいタッチが生まれているような気がする。
音楽の流れとピアノの音色がとても合っていて、それが本当に自然に流れ出る感じ…。
現代作曲家が頭であれこれ考えたことや、苦心を重ねた作曲技法などとは関係なく、またプロのピアニストが現代曲を弾くときに考え悩み、演奏技術を駆使して「解釈」するようなプロセスとも無関係に、ツォトネくんはその体と心から素直に音を紡ぎ出している…。
少なくとも、私の印象はそんな感じだ ♪ もちろん、本人はいろいろ考えながら練習して、弾いているのかも知れないが、そういうことは演奏からは感じられない。
そして、自作の 2曲(+アンコール 2曲)もとても良かった。
以前聴いた自作曲よりも「現代音楽」的な印象が少し減ったような気もする。
それは、現代作曲家が「調性音楽に戻る」とか言っているようなこととは違っていて、「美しい音楽」「良い音楽」を作りたいという気持ちが素直に出ているのかな?…と勝手に想像した…(^^;)。
とくに、プログラム最後の曲 "Printemps"(春)がとても気に入った。ちょっとドビュッシーを感じさせるようなところもあって、私にとってちょうどいい「現代音楽」レベルなのかも知れない…(^^)♪
この記事を書きながら、下記サイトのアーカイブ演奏を聴いている ♪
🎦Tsotne Zedginidze in recital(medici.tv/ Verbier Festival 2022)
プログラムは下記。(アンコール曲を含む)
Tsotne Zedginidze, Dolorem (Tristesse)
Claude Debussy, Preludes, Book I
1. Dancers of Delphi
4. "The sounds and fragrances swirl through the evening air"
5. The Hills of Anacapri
9. The Uninterrupted Serenade
Arnold Schoenberg, Three Piano Pieces, Op. 11
Béla Bartók, Out of Doors, Sz. 81
Tsotne Zedginidze, Printemps
アンコール
Tsotne Zedginidze, Improvisation
Tsotne Zedginidze, Lullaby
【関連記事】
《12歳の天才少年ツォトネ・ゼジニゼ君がヴェルビエ音楽祭に登場 ♪》
0 件のコメント:
コメントを投稿