この 3曲は、正直に言うと、あまりお気に入りという訳ではなかった。しいて言えば、第6番が地味な印象ではあるが好きだった。7番 ハ短調はベートーヴェンらしさが感じられるが、個人的には中途半端かな?という感想。8番の軽やかさも悪くないが…。
Op.30
🎼 List of works by Ludwig van Beethoven
この Op.30 が作られたのは、1801年から1802年春にかけて。ベートーヴェンが耳の疾病に苦しみ精神的危機を迎えつつあるころだ。ハイリゲンシュタットの遺書(1802年10月6日)の少し前である。ロシア皇帝アレキサンダーⅠ世に捧げられている。
第6番 イ長調は演奏機会が少ないようだが、「しっとりと落ち着いた楽想が印象的だ。隠れたファンの多い曲」という解説もあった。私もわりと好みの曲だ。
最初、第3楽章には、第9番《クロイツェル》の第3楽章である華やかな「プレスト」が使われることになっていたそうだ。バランスを考慮して現在の変奏曲になったとのこと。
第7番は、《運命》交響曲や《悲愴》ソナタと同じハ短調で書かれている。「ベートーヴェンらしい悲痛さと雄大さを併せ持つ堂々たる作品」という解説文もあったが、個人的にはまだそこまでの理解?ができていない。"'Eroica" というタイトルが付くこともある。
第8番 ト長調の明るい感じ、とくに第2楽章のメヌエットなんかは好きかも知れない。アルゲリッチとルノー・カピュソンのレパートリーになっているのかな…?
♪ Martha Argerich & Renaud Capucon play Beethoven Violin Sonata No. 8
ハンブルクでも弾いていた(↓)。
《アルゲリッチ、オンラインで大活躍 :Symphoniker Hamburg ♪》
YouTube ではあまり気に入った演奏と巡り合えず、まずはヴァイオリンソナタの演奏で「お気に入り」になった、James Ehnes(ジェームズ・エーネス)とAndrew Armstrong(アンドルー・アームストロング)のデュオを探してみた。
第6番と第8番は録音しているが、第7番が見つからなかった。演奏は予想通り私の好みの演奏で、とくに第6番はいい感じである。
Beethoven: Violin Sonatas No. 6 & 9 'Kreutzer'
Beethoven: Violin Sonatas Nos. 4, 5 & 8
Spotify で探しているときに、シャルル・リシャール=アムラン(Charles Richard-Hamelin)の名前を見つけた。しかも、Op.30 の 3曲セットで録音しているCDだ。
聴いてみると、なかなかいい ♪ エーネス&アームストロングの演奏よりもちょっと元気で、若さを感じる演奏だ。ヴァイオリンの響きが際立っているのだが、アムランの美しいピアノの音がいい感じでアンサンブルしている…(^^)♪ 2018年の録音。
Beethoven: Violin Sonatas Nos, 6, 7 & 8
で、ヴァイオリニストのアンドリュー・ワン(Andrew Wan)という人を調べてみると…。なんと!アムランの出身校であるマギル(McGill)大学の助教授だった。1983年生まれ(37歳)で、ジュリアードの出身(Masao Kawasaki と Ron Copes に師事)。
2008年(25歳)から Montreal Symphony Orchestra (MSO) のコンサートマスターを務めている…というから凄い! Orford Musique(オルフォール音楽大学)でも教えているようで、New Orford String Quartet (NOSQ) という弦楽四重奏団のメンバーでもある。
出典✏️Andrew Wan(McGill大学サイト)
今回はこの CD をオススメ盤にしておこう…😊。
ちなみにこの 3曲、なぜかいずれも第2楽章(緩徐楽章)が気に入った。どうも、私の弦楽器に対する好みは「柔らかい響き」とか「ゆったりしたフレーズ」にあるようだ ♪
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