正確に言うと「ピアノまたはオルガンのための全長調にわたる2つの前奏曲」op.39 である。1789年(ベートーヴェン 19歳)に作曲され、1803年に出版された。
Op.39
🎼 List of works by Ludwig van Beethoven
この曲が作られたのは、ベートーヴェンが生まれ育ったボンでの修行時代であり、習作的な作品と考えられている。
1782年からベートーヴェンを教えていたネーフェ(Christian Gottlob Neefe)の指導のもとで作られた可能性もある。また、この時期、ベートーヴェンも宮廷オルガニストを務めることがあったので、そこでこの曲を弾いていたかもしれない。
1803年に、ライプツィヒの Hoffmeister 社から、Violin Romance op.40 とSerenade for Flute op.41 とともに出版されている。お金の必要に迫られてのことと推測されている。
ちなみに、オルガン曲としてはわりと知られているようで「オルガン曲集」などに収められていることが結構あるようだ。
以上、出典は下記。
✏️Prelude through All the Keys, op. 39(The Unheard Beethoven)
ハ長調で始まる(↓)が、「全長調にわたる2つの前奏曲」という名前が示すとおり、曲の中で調性が次々に変わっていき、最後にハ長調に戻るという作りになっている。
すべての調ということでバッハの平均律を連想させ、フーガ的な作りになっているので、ベートーヴェンがバッハを研究した証拠とみなす人もいるようだ…。
5度ずつ上がっていくので、途中 "#" がどんどん増えていく。しかも、後半はベートーヴェンらしく盛り上がってくるので、弾くのは大変そう…(^^;)。
まるで「5度圏」の勉強をしているみたいだ…(^^)♪
(下図は✏️五度圏(サークル・オブ・フィフス)/音楽理論講座からお借りした)
2曲目(↓)も同じような作りだが、ずっとコンパクトだ(短い)。ニ長調とイ長調などは 1小節しかない…(^^;)。
YouTube で聴いたのはコレ(↓)。ハンガリー出身のピアニスト、ヤンドー・イェネー(Jandó Jenő 、1952年2月1日 - )という人の演奏。いい感じの演奏だ ♪
♪ 2 Preludes, Op. 39
元の CD はコレ(↓)。ベートーヴェンのバガテル、舞曲などの小曲が収録されている。
Bagatelles & Dances 2
オルガンの演奏もいくつかある。個人的にはピアノの方が好きだけれど…。
♪ 2 Preludios para piano u órgano, en Do mayor, Op. 39. Ludwig van Beethoven. (Simon Preston, órgano)
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