Op.33、Op.119 のバガテル集と違って、通して弾かれることを想定した「小曲の連作 Ciclus von Kleinigkeiten」として作られた。
Op.126
🎼 List of works by Ludwig van Beethoven
この作品の作曲時期は、最後のピアノソナタ第32番や「11のバガテル」のおよそ 2年後で、交響曲第 9番を作曲した後、「ディアベリ変奏曲」の直後に作られている。ベートーヴェンの最後のピアノ作品として知られている。時系列に並べてみるとこんな感じ。
1821-22:ピアノソナタ第32番 Op.111
1820-22:11のバガテル Op.119
1819-23:ディアベリ変奏曲 Op.120
1823-24:6つのバガテル Op.126
曲集の 1曲目のスケッチの欄外に「小曲の連作 Ciclus von Kleinigkeiten」と書き込まれており、また、緩急が交互に配置されていることや、調性の関連からもこの 6曲が通して演奏することを意図したものと思われる。
また、ベートーヴェン自身が「自分が書いた最高のバガテル」とも書き残している。
以上、出典は下記。各曲の解説も載っている。
✏️ベートーヴェン :6つのバガテル Op.126(PTNAピアノ曲事典)
6曲を通して弾いている演奏で、YouTube の中で比較的気に入ったのは、Nikita Mndoyants (ニキータ・ムンドヤンツ)というピアニストの演奏(↓)。
♪ Nikita Mndoyants plays Beethoven's Bagatelles Op. 126
ニキータ・ムンドヤンツは 1989年生まれのロシアのピアニスト。父親が、モスクワ音楽院の中央音楽学校の名教授として知られる名ピアニスト、アレクサンドル・ムンドヤンツという人だそうだ。恥ずかしながら知らない名前だ…(^^;)。
モスクワ音楽院でニコライ・ペトロフに師事し、2016年のクリーブランド国際ピアノコンクールで優勝、2013年のヴァン・クライバーン・コンクールのファイナリストでもある。
あと、YouTube で気に入ったのは、1曲だけではあるが、このコヴァセヴィチの演奏。
♪ Stephen Kovacevich - Beethoven - Bagatelle No 5 in G major, Op 126
実はこの曲は思い出の曲だ ♪ ピリスさんの、日本での最後のリサイタルを聴きに行ったときに、まるで別れの曲のようにしみじみと弾いてくれたのがこのバガテル Op.126-5。
記憶の中のピリスさんの演奏はコヴァセヴィチより格段に美しい。私にしては珍しく?感傷的な感想を書いている…(^^:)。
「アンコール曲の『6つのバガテル 第5番』(ベートーヴェン)が別れの歌に聴こえて仕方なかった。"Farewell, and thank you" …」
《ピリス さんの名演奏が生まれる所に居合わせた幸せ ♪》
全曲通した演奏を Spotify でいくつか聴いてみた。
結果としては、前回見つけたこの CD(↓)に収録された演奏が一番気に入った。どうも、スティーヴン・コヴァセヴィチのベートーヴェンにハマりつつあるようだ…(^^)♪
Collector's Edition: Beethoven: the Piano Concerto
その次に気に入ったのは、やはりブレンデル。コヴァセヴィチと甲乙つけがたい感じ ♪
BAGATELLEN OP.33,119,126
お気に入りピアニストの一人、アンデルシェフスキの演奏も見つけた。ちょっと期待したのだが、この演奏はそれほど好みではない。「ディアベリ変奏曲」は好きなのだが…。
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番
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