2020年7月19日日曜日

BTHVN op.34: 6つの変奏曲、グレン・グールドの中身の詰まった演奏がいい ♪

「ベートーヴェンの全作品を聴く」プロジェクト《All BTHVN 🎧》、今日は Op.34 の(創作主題による)6つの変奏曲 ヘ長調(1802: 32歳)。

ベートーヴェンが「全く新しい手法」を用いた作品と宣伝したそうだが、「新しい手法」の一つは 6つの変奏の調性が 3度ずつ下行して元のヘ長調に戻ることだそうだ。


Op.34

🎼 List of works by Ludwig van Beethoven


この作品は、去年の12月にベートーヴェンの「6つの変奏曲」WoO.70 を練習したときに一度は聴いたはずなのだが、あまり記憶に残っていなかった…(^^;)。

《ベートーヴェン:6つの変奏曲 WoO.70 の難易度》

ところが、今回何人かのピアニストを聴き比べていく中で、なかなかいい曲だと思い始めた。それぞれのピアニストの演奏にそれぞれの良さがあり、お気に入りの演奏を一つに絞るのに苦労した曲でもあった。


YouTube で聴いた中で良かったのは、リヒテル、ブレンデル、グレン・グールド。

リヒテルは格調高い中にも優しさが漂う魅力的な演奏だし、ブレンデルのお手本のような柔らかい演奏もいい。でも、グールドの演奏が一番中身が詰まっている、というか音楽的にも響きとしても豊かな印象を受けた。

♪ Beethoven - Six Variations op.34 - Richter studio

♪ 6 Variations in F major, Op.34 (Beethoven, Ludwig van) - A. Brendel

♪ Glenn Gould - Beethoven, Six Variations for Piano in F major op. 34 (OFFICIAL)
(06:03 〜)


「中身が詰まっている」という言葉はグールドの演奏を聴き始めた瞬間、頭に浮かんだ言葉であるが、たぶん音楽(音、演奏)に含まれる「情報量」が豊かであることを感じた…ということではないかと思う。

グールドが表現しようとしている内容の豊かさや、それが音響として現れたときの音の表情やニュアンスなどの量によって、そんなことを感じたのだろう…。

こんなこと(↓)が、前に読んだ『蜜蜂と遠雷』に書いてあった。好きな一節だ ♪

「プロとアマの(演奏の)違いは、そこに含まれる情報量の差だ。一音一音にぎっしりと哲学や世界観のようなものが詰めこまれ、なおかつみずみずしい」

参考《『蜜蜂と遠雷』風変わりな感想文?》


ところで、Spotify にもグレン・グールドの CD があって、こちらの方が音がいい ♪

Glenn Gould Plays Beethoven: 32 Variatio




それから、この作品を調べているときに、ロルティというピアニストの演奏を褒めている記事を見つけたので、聴いてみることにした。ルイ・ロルティ(Louis Lortie, 1959- )はフランス系カナダ人のピアニストで、1984年ブゾーニ国際ピアノコンクールの優勝者。

✏️ベートーヴェンの6つの変奏曲 ヘ長調 Op.34をロルティの演奏で聞く(鎌倉スイス日記)

Spotify で検索すると最初に表示されるのがこのロルティの CD だ。演奏は、音もきれいで響きが豊かで、なかなかいい感じだ ♪


6 Variations in F / 2 Rondos





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