新境地開拓のための「実験的ソナタ」Op.26, 27と同じ時期の作品であるが、形式的には伝統的なものになっている。(Mv.1:ソナタ形式、Mv.2: 三部形式、Mv.3: スケルツォ、Mv.4: ロンド形式)「田園」というタイトルはベートーヴェンの死後、出版社が付けたもの。
Op.28
🎼 List of works by Ludwig van Beethoven
この、ベートーヴェンの全曲を聴くというプロジェクトで、ピアノ曲については新しい演奏や新しいピアニストを探してみようと、少し前から思い始めた。
…のだが、なかなか見つけるのが難しい。ピアノソナタで見ると、ここまではバレンボイムが圧倒的に多い。あとはグレン・グールド、ポリーニ、スティーヴン・コヴァセヴィチ、児玉麻里、辻井伸行くらいで、とくに新しいピアニストは皆無…(^^;)。
で、今回は Spotify で見つけたダヴィデ・カバッシ(Davide Cabassi)というイタリアのピアニスト(1976年ミラノ生まれ)をご紹介したい。
ミラノ・ジュゼッペ・ヴェルディ音楽院を1995年に卒業後、コモ湖のカデナッビア国際ピアノ財団で5年間、ロザリン・トゥレック、レオン・フライシャーに師事。2005年の第12回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのファイナリストである。
聴いたのはこのCD(↓)。
Beethoven: Sonatas Op. 26, 27 Nos 1 & 2, 28
聴き始めてすぐに思ったのは、比較的遅めのテンポできっちりと丁寧に弾いている…何となく「お手本」的な演奏かな…ということ。
ただ、音色がクリアで一つ一つの音が明快なので、割と好きな響きだ ♪ ただ、ベートーヴェンにしてはやや軽いのかな?…という感じがしなくもない。この「田園」ソナタには合っている気はするが…。
ダヴィデ・カバッシの日本語記事は少ないのだが、CDの紹介文に「明るく美しい音色、くせのないフレージングと歌ごころが独特」と書いてあった。
「くせのない…」は同感で、嫌味がなくいい感じの演奏なので最後まで聴いてしまった。私の場合、あまり好みではないと思ったら途中で聴くのをやめるのが常なので…(^^;)…このピアニストについては、一応好感をもったということのようだ。
ただ、そのあとでバレンボイムを聴くと、やはりこちらの方が聴きごたえがある、というか私の心にぴったりと語りかけてくる気持ち良さがある…(^^)♪
♪ Barenboim: Beethoven - Sonata No. 15 in D major, Op. 28 "Pastoral"
(At Schloss Hetzendorf, Vienna, 1983-1984)
ただ、ピアノソナタ第13番の記事《BTHVN op.27: ピアノソナタ No.13/14「月光」は辻井伸行くん ♪》にも書いたが、いつも聴いている音源(↓)ではなく、若い頃(41〜42歳と思われる)の演奏(↑)の方が気に入った。
♪ Beethoven, Sonata para piano Nº 15 en Re mayor Opus 28 Pastoral. Daniel Barenboim, piano
ちなみに、ダヴィデ・カバッシの他の演奏を聴いてみようと思って、YouTube を探したら、今年の1月にムジークフェラインで行われたリサイタルの録画が見つかった。
こちらのベートーヴェン(ピアノソナタ第8番「悲愴」)はあまり好みではなかった。
♪ Davide Cabassi Vienna Musikverein Recital 31.1.2020 - Beethoven Pathétique, Brahms Händel Variations
…ということで、ピアノソナタ No.15「田園」も、私の好みの演奏は結局バレンボイムに落ち着くことになった…😅。
それにしても、ベートーヴェンのピアノソナタの音源探しで感じるのは、若手のピアニストの演奏が少ないのかな…?…ということ。ある程度の年齢にならないと、弾きこなせない…みたいなところもあるのかも…?
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