作曲家自身が「幻想曲風ソナタ」("Sonata quasi una fantasia")と名付けているように、新境地開拓のための「実験的ソナタ」でもある。
Op.27
🎼 List of works by Ludwig van Beethoven
ピアノソナタ第13番(Op.27-1)は、ソナタ形式を使わない4つの楽章が attacca で切れ目なく演奏される。
この曲は、冒頭の第1主題の演奏の仕方に私の個人的なこだわり?があるようで、好きな演奏とそうでない演奏が、この4小節ではっきりと分かれてしまう。感覚的に自分なりのイメージを持ってしまっているのだと思う。
なので、お気に入りの演奏を探すのが結構大変なのだが、今回 YouTube で何人かの演奏を改めて聴いてみて、やはり私の好みはバレンボイムに落ち着くことになった。
ただ、いつも聴いている音源ではなく、若い頃(41〜42歳と思われる)の演奏の方が気に入った。微妙なテンポの揺れが少なく、大袈裟なところが少ないのが好印象 ♪
♪ Barenboim: Beethoven - Sonata No. 13 in E-flat major, Op. 27 No. 1 ''Quasi una fantasia''
(At Palais Rasumofsky, Vienna, 1983-1984)
ちなみに、いつも聴いているのはコチラ(↓)。
♪ Beethoven Sonata N° 13 Daniel Barenboim
ピアノソナタ第14番(Op.27-2)の方は聴き慣れているだけに、好みの演奏を見つけるのはさらに難しかったかも知れない。
この曲に対する自分自身のイメージがある程度あり、といってそのイメージにピッタリでは「耳タコ」的な印象を受ける恐れもある。新鮮な解釈の演奏や音響を聴きたいという気もするが、意図的な(ちょっと変わった?)演奏はあまり好みではない…。
で、いつも通りに有名ピアニスト(主に海外)の演奏を聴くうちに、ふと見つけたのがコレ(↓)。TV放送の録画のようだ。
♪ ベートーベン ピアノ・ソナタ 「月光」 辻井伸行
この演奏は、私のこの曲に対するイメージをさらに洗練されたものにしてくれる素晴らしい演奏だと思う。大袈裟ではないのに、十分なダイナミクスと音響があり、彼特有の美しいピアノの音色が最大に生かされている ♪
とくに第3楽章は秀逸である。途切れずにほとばしる音の流れの中に、いい感じのアクセント( sf )が置かれ、歌うべきところは実に豊かな旋律が奏でられる。
「月光」ソナタという曲は、辻井伸行くんにとても合っているという印象だ ♪
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