2019年1月10日木曜日

2018年、一番忙しかったピアニストは?

BachTrack というサイトに、2018年のクラシック音楽(コンサート)の統計データをまとめた図と記事が載っていた。クラシック音楽界の大まかな流れが分かって面白い ♪

では、2018年に一番忙しかった(売れっ子の?)ピアニストは誰だったでしょう?

✏️Infographic(図)PDF
✏️Lenny Bernstein and Women Composers: the Bachtrack Classical Music Statistics for 2018



この統計データはあくまでもBachTrack にリストアップされたコンサート情報をまとめたものらしいが、"We are the largest classical events finder online." と胸を張っているので、ある程度はクラシック音楽界の状況を反映したものと見てもいいのかもしれない。

コンサートの全体の数は 19,938公演。統計内容の大部分は作曲家やオーケストラやオペラであるが、一応ピアニストやヴァイオリニストの数字も出ている。


で、2018年に一番忙しかったピアニストはイェフィム・ブロンフマン。コンサート回数は78回となっている。年間78回というのは決して大きな数字ではないので、やはり全部のコンサートは網羅していないようだ。それとも、リサイタルは入ってない?

ちなみに、以前読んだマツーエフのインタビュー記事では「昨年(2016年)は264回のコンサートをこなした」と語っていた。

BachTrack の統計データによる「忙しかったピアニスト」トップ10は以下の通り。トリフォノフはさすがの 2位、エマールさんも 9位入賞…(^^;)?
  1. Yefim Bronfman (78)
  2. Daniil Trifonov (67)
  3. Jean-Yves Thibaudet (66)
  4. Yuja Wang (58)
  5. Dénes Várjon (57)
  6. Sir András Schiff (54)
  7. Kirill Gerstein (53)
  8. Igor Levit (52)
  9. Pierre-Laurent Aimard & Jan Lisiecki (51)

知らないピアニスト、名前は知っているが演奏を聴いたことがないピアニストが何人かいる。あとで調べてみよう。Jean-Yves Thibaudet と Dénes Várjon と Jan Lisiecki 。


演奏回数の多い作曲家については、常連の1位ベートーヴェン、2位モーツァルトに続いて、生誕100年のバーンスタインが3位(前年27位)に入っている。

没後100年のドビュッシーは8位(前年12位)にランクイン。

演奏回数の多い作品についても同じ傾向が見られる。とくにバーンスタインの曲はトップ10に4曲(トップ5 に4曲)も入っている。

  1. West Side Story: Symphonic Dances (Bernstein)
  2. Candide: overture (Bernstein)
  3. Serenade after Plato’s “Symposium” (Bernstein) 
  4. Symphony no. 5 (Beethoven)
  5. Chichester Psalms (Bernstein)
  6. Symphony no. 7 in A major (Beethoven)
  7. Piano Concerto no. 5 “Emperor” (Beethoven)
  8. Messiah (Handel)
  9. Symphony no. 1 (Brahms)
  10. Prélude à l’après-midi d’un faune (Debussy)


女性作曲家にもスポットライトが当てられていて、この5年間によく演奏されるようになった(伸び率の高い)女性作曲家のトップ10が下記。一人も名前を知らない…(^^;)。

  1. Louise Farrenc 1804 - 1875
  2. Galina Ustvolskaya 1919 - 2006
  3. Dame Ethel Smyth 1858 - 1944
  4. Anna Þorvaldsdóttir 1977 -
  5. Caroline Shaw 1982 -
  6. Grażyna Bacewicz 1909 - 1969
  7. Judith Bingham 1952
  8. Missy Mazzoli 1980 -
  9. Amy Beach 1867 - 1944
  10. Cheryl Frances-Hoad 1980 -

それでも、全体のランキングでは最高で85位でしかない。クララ・シューマンは94位。

 85. Lili Boulanger 1893 - 1918
 94. Clara Schumann 1819 - 1896
159. Fanny Mendelssohn-Hensel 1805 - 1847


現代音楽の作曲家の順位は低い。中で、アルヴォ・ペルトが1位というのは嬉しい。

 46. Arvo Pärt
 52. John Williams
 81. Jörg Widmann
 82. Sir James MacMillan
 85. Philip Glass


その他、オーケストラとか指揮者とかオペラとかに興味のある方は「出典元」をどうぞ。



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