数年前にアメリカで始まった "Groupmuse" というサービスが話題になっている。
サービスの内容は、ひと言でいうと"Groupmuse" のホームページの最初に書いてあるように、"Classical music house party-concerts."(クラシックのホーム・コンサート)を提供するものだ。
※追記@2023/05/11:今サイトをチェックしたらまだ健在 ♪ 対応できる都市も増えて 4カ所から 23カ所(米国内 21都市とベルリン、パリ)になっているようだ。
登録されているクラシックの演奏家を自宅に呼んで、ホームパーティのような室内楽音楽会を開くことができるというもの。そこに、知り合いやネットで申し込んだ人を招待することができる。
これは、現代のネット社会(ソーシャル・メディア、シェア・エコノミー、…)ならではの「現代のシューベルティアーデ(Schubertiade)」とも言える。
日本ではあまり知られてないようだが、欧米ではいろんなメディアに取り上げられている。例えば以下のような記事。
Wired(ワイアード)の記事に出てくる "Uber"(ウーバー)というのは、自家用車をタクシーとして使うようなシェア・ビジネスの一つだ。
記事によると、利用者はほとんどが若い世代、"millennials"(1980年代から2000年代初頭に生まれた世代)だそうだ。クラシック・コンサートの聴衆の高齢化が進んでいる中で、クラシック界の救世主になるかも知れない、と言われている。
実際のサイトを見てみると…。
例えば、ボストンで近々予定されている音楽会をみると、年内に10数回の予定表が出てくる。こんな感じ(↓)で…。
それぞれをクリックすると詳しい情報が出てくる。演奏者や曲目以外に、「観客数20人まで」「飲み物持ち込み歓迎」「料金は最低10ドル」「猫がいます」とか書いてある。
演奏者(グループ)は事前に審査した上で登録されているので、一定の水準の人たちのようだ。オーケストラの楽団員とか、プロのピアニストとか、音大の学生とか…。
登録されている演奏者も見ることができる。例えばボストンの "piano" で検索すると、ピアノトリオやピアニストが35グループ(人)登録されている(↓)。
なかなか良さそうなサービスなのだが、今のところ、Seattle、New York、Boston、San Francisco でしか利用できない。2013年から始まって、サービス地域を拡大中、いずれは世界で…と言っているが、どうなるか?
"Groupmuse" はボストンから始まっているが、こにはボストン交響楽団があり、すぐ近くのタングルウッドではその交響楽団を中心に毎年音楽祭が催される、といった「地の利」があったと思われる。
CEOの Sam Bodkin 氏もボストン交響楽団で働いていたこともあるらしい(音楽家ではなさそうだが…)。
日本にもあると面白いなぁ、と思ったが、日本では条件的に厳しいかもと思ったりする。
アメリカのように広いリビングルームも少ないだろうし、アメリカ人ほどパーティ好きでもないだろうし…。そもそも、日本の若者(20代〜30代)にそういうクラシックの室内楽に対するニーズがあるのかどうか…。
個人的には、近くのお宅で、質のいい室内楽を間近に聴きながらワインを飲む、なんてことはやってみたい気もする。自分の家には、残念ながら、室内楽(とお客さん)を呼べるほどのスペースはないので…(^^;)。
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