7月に、ブラームスの「間奏曲」で「ピアノ、少し上達したかも…♪?」という記事を書き、その次の曲でも「ラフマニノフ「楽興の時」順調すぎる♪?」などと得意げに書いてみたのだが…。
今回のハイドンのソナタで、その自信は見事に崩れ去ってしまった…(^^;)。
それでも少しは上達しているのでは…、と未練がましく思ってはいるが、その反省は年末の1年の振り返りまで取っておくことにして、今日は、最近自分で役に立っていると思える練習方法(の進化?)を整理しておきたいと思う。
ラクに弾ける弾き方を意識する
「ラクに弾く」というと「脱力」のことと思われるかも知れないが、実感としてはもう少し広い範囲の具体的なことというイメージである。
「脱力」ということでは、打鍵と打鍵後に余分な力を抜くことが基本だと思っている。「ラクに弾く」ために意識していることは、それに加えて、例えば次のようなことである。
主に譜読みの段階で、できるだけラクで自然な指使いを探るのだが、そのときに次のようなことも考えている。
- 手首の左右方向の傾きを変えるとラクになる形はないか
- 鍵盤の打鍵位置(主に奥行き方向)はどのあたりがラクか
- 手首の上下運動(とくにふわっと力を抜く所)はどうか
- 手首の回転を利用した方がラクになる部分はないか
- 必要以上に長く押さえている指はないか
(少し早めに離すとラクに弾けるようにならないか)
とくに最後の項目は、弾き終わったあと指がそのキーの上に留まろうとする私の悪いクセである。脱力が十分にできない原因(結果かも?)だとも思われる。
それから、通し練習ができる段階になると、いくつかの弾き方(ゆっくりとか少し早めにとか、極端に強弱をつけるとか…)をやるのだが、その中に「とてもラクに弾く」という弾き方を入れるようにしている。
意識してラクに弾くと、音色の思わぬ変化を発見したり、それほど力まなくても音量がそれなりに出ることが分かったりして面白い。
いい音を出すことを意識する
「ラクに弾く」に加えて、最近では、「いい音をいかに出すか」「どういう弾き方をすれば自分のイメージに一番近い音になるか」ということを意識した練習もやるようにしている。
音色を意識しながら、タッチやアーティキュレーションを変えて試す(もちろん自分の実力の範囲で…)のだが、イメージ通りの音が出るかどうかは別として(実際にはなかなか難しい…)、意識すること自体がプラスの効果を生んでいるような気がしている。
おそらく、音色を意識することで集中度が高まっているはずなので、その結果、ミスが減ったような気がする。それと、弾いているときに自分の弾いた音が、以前よりは聞こえるようになったと思う。
また、おまけの効果として、ある程度弾けるようになったときの自己満足度も少し高くなっているかも…(^^)♪
筋トレや指の体操を活用する
実は、自分でも信じられないことだが(三日坊主の常習犯なので…)、風呂の中でやる(湯船の底を鍵盤に見立てた)指の体操は、3年半以上ほぼ毎日のように続いている。もちろん、その時どきの曲や課題(難所)によって体操のメニューは変わっているが。
ここで、改めて練習方法の一つとして取り上げたのには理由がある。一つには、効果が実感できていることだ。
例えば、ちょっと前のブラームスの曲では「オクターブ」、ラフマニノフの曲では「3度の連続」という苦手パターンがあったのだが、その課題を克服するための体操を考えた。結果から見ると、効果があったのではないかと思われる。
もう一つの理由は、中村紘子さんの『ピアニストという蛮族がいる』という有名な本に書いてあった次の言葉。
「…筋力アップのトレニングは、…演奏上の音量などの増加、技術上の余裕を得ることなどに大きな効果がある。例えば、上膊部の内側の筋肉を鍛えると、オクターヴを演奏する際の持続力が圧倒的に強くなるし、余力をもってコントロールが効くから音質も美しくなる」
ちなみに、今考えているのは「指が回るようになる体操」。バレンボイムが「そんなものがあれば私の方が欲しい」と言った?練習方法である…。
対称練習法
比較的最近仕入れた練習方法である。本当はプロのヴィルトゥオーゾが使うような高度な練習方法らしいのだが、それを自分のレベルに合わせて取り入れている。
いまのところ、主な使い方は「左手の強化」。右手左手を左右対称にして動かす練習をすることで、右手の動きに助けられて左手の練習効果があがることを狙っている。
上の記事にも書いたが、最初に使ったのはラフマニノフの間奏曲での、左手の伴奏パターンの練習。
そしていま練習中のラウタヴァーラの曲で、繰り返し出てくるパターンの左手の練習(確実性+スピードアップ)にも「対称練習法」を使っている。
以上、ご参考まで。
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