ハイドンの "presto" という指示のあるソナタ(Hob.XVI:34)に挑戦している。もともと指が回らない、というか速い曲は苦手なので、それを少しでも克服したいと思っての選曲である。
ところが、今のところ大苦戦、まったく弾けていない。十分に弾けていないのにスピードを上げようとする。スピードを上げるとミスが多くなり、ますます弾けなくなる。という悪循環のような気もする。
なので、何かうまい練習方法がないかとネットを探してみるが、なかなかこれといった情報に出会わない。
で、ふと思い出したのが、"Fundamentals of Piano Practice" というサイト。英文250ページの本の内容が無料で公開されているらしい。
以前(2015年7月)の記事《次はモーツァルトのソナタ第4番 K.282 第1楽章に決定 ♪》に戴いたコメントで、紹介してもらったものだ。
そのコメントに対して「必要なところだけでも折に触れて読んでみようか」などと返事しているが、なんと1年以上「折に触れなかった」ということになる…(^^;)。
で、困ったときは藁にでもすがる気持ちで、それらしい箇所を探してみた。まずは基本の部分にあった "Velocity, Choice of Practice Speed" (速度、練習スピードの選択)という章から…。
いきなり、私の練習方法を見透かしたようなダメ出しが…。
「弾き方を変えずに、指に無理をさせてスピードを上げるのはダメ!」
「自然にスピードが増すような手の位置とか動きを工夫しなさい」
その「手の位置とか動き」を知りたいのだけど…と思いながら、先を読んでみる。
「ピアノは、正確に弾けるスピードで練習するときに、最もテクニックが上達します」というサブタイトルに、まぁそうかも知れないと思いながら、練習方法のヒントを探していたら、それらしきものを発見。意訳してみると…。
① 正確に弾ける範囲で一番速いスピードで弾く。
② それよりも少し速いスピードで弾いて、弾き方がどう変化するか観察する。
③ その変化した弾き方で①のスピードで弾く。
②で発見した「変化」が、上で知りたいと言った「手の位置とか動き」の工夫に当たるのだろう。
ということは、これまでにやってきた「ラクに弾ける」弾き方を見つける方法とあまり変わらない、ということか…?
つまり、少しでも脱力してラクに弾くために、指使いや、指や手首の角度や、打鍵位置(奥行き方向)やタッチの種類をあれこれ試すのだが、スピードが出る弾き方も、そうやって地道な試行錯誤をやるしかない…ってこと?
とりあえず、ハイドンのソナタでちょっと試してみた。①のスピードがあまり速くないことがそもそも問題なのだが、それはさておき…。
確かにいくつかの発見はあった。例えば、あるまとまりを弾いた最後の音で指が必要以上に残っている(昔からの悪いクセだ…)とか、左手の休符のところで次の準備をまったくしてないとか、目の(次の場所への)動きが遅いとか…。
そのあたりを意識しながら練習した後で、①のスピードに戻ると、確かに少しラクに弾けるようになった気はする。この弾き方が身につけば、「自然に」スピードは上がる、ということなのだろうか?…とまだ半信半疑…(^^;)。
ところで、「予測」に関して、ついでに?思い出したことがある。
人間は話すときに、次に発話する言葉に向けて口の形などを準備しながら話している(らしい)。ピアノも上手な人は、同じような予測をしながら(指などの準備をしながら?)弾いているという話である。
探してみたら、『ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム』という本の読書メモ(↓)にあった。
この9項目めに、
・プロ(のピアニスト)は「予測」して準備しながら(0.5秒前とか)話すように弾く
→「話す」ときの「調音結合」
(次に発音する音に応じてあらかじめ口の動き方を変える)
とメモしている。ちゃんと実践しなければ意味ないな〜。
…ということで、今日のところは「ラクな」=「スピードの出る」弾き方を探ることと、「予測・準備」を意識的にやることで、頑張ってみることにしようと思う。
それでも、やはり物理的に(筋肉や神経回路が)速い動きができるような訓練法とかがあるといいなぁ〜と思ってしまうのだが…(^^;)♪
【関連記事】
《近況:ハイドンのソナタの練習方法(作戦)》
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