2015年2月1日日曜日

シャンドール ピアノ教本7:基本動作⑤突き+基本動作のまとめ

5つ目の動作は「突き」。突きは、筋肉の能動的な力だけによって行われるものであり、重力も重みも用いられない。指を鍵盤に正しく置いた状態で、最も強い胴体と腕の筋肉のいくつかを突然同時に収縮させることで、鍵盤を押し下げる。指は鍵盤と絶えず接触している。

これまでに述べた五つの基本パターンを個別に、あるいは組み合わせて用いれば、大半のピアノ演奏における技術上の問題を解決できる。なお、指は絶えず活動的でなければならないが、手首がフリーズしないよう常に注意すること。

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『シャンドール ピアノ教本―身体・音・表現』 読書メモ
 ジョルジ シャンドール 著、岡田 暁生 監訳(春秋社、2005/2/1)
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 第2部 五つの基本動作 


第8章 突き


※数字はページ番号、赤字は私のマーク

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突きは、筋肉の能動的な力だけによって行われるものであり、重力も重みも用いられない。…指を鍵盤に正しく置き、最も強い胴体と腕の筋肉のいくつか(胸筋や腹筋や後方三頭筋や前腕屈筋)を突然同時に収縮させることで、鍵盤を押し下げるのである。…突きにおいては指は鍵盤と絶えず接触している。

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まず正しいポジション…。…付きの動作の間、身動きしてはならない。指は鍵盤の表面にとどまり、腕はわずかに曲げられる。…鍵盤へ向けて垂直に…。

突きは、中庸の速さのパッセージとゆっくりしたテンポの和音連続に役立つ。…自由落下を使うとミスが生じやすい広い音程と和音においても理想的である。収縮の程度と速度は随意である。

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音量は、打撃の瞬間における関節の弾力性によって規定される。

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練習は必要でない! ここで述べたような技術を、様々な和音や音程に応用しなさい。


第9章 五つの基本動作のまとめ


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この五つの基本パターンを個別に、あるいは組み合わせて用いれば、すべてではないにしても、大半のピアノ演奏における技術上の問題を解決できる…。…猛烈なスピードで、正確に、コントロールされた演奏をするという難題は、まだ残されている。

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各々の指には固有のポジションがあり、そのポジションでこそそれらは最もうまく動くことができる…。

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指が前腕の筋肉と一直線になるようにする…調整動作は水平・垂直・奥行きのいずれの方向にも可能である。

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一言注意…。ややもすると指は受け身になって動きが鈍り、鍵盤にもたれかかりがちであることが分かるだろう。…指は絶えず活動的でなければならないのだ。…もう一つ警告…。指が活動している時(とりわけ、激しい活動をしている時)には常に、手首がフリーズしてしまう危険がある。


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