2018年11月22日木曜日

ピアノが上達している実感がない→『ピアノ奏法』再読 ♪

ベートーヴェンの「テンペスト」第3楽章を練習している頃から、またしても「上達してない」モヤモヤ感が暗雲のように?立ち込めてきた。

新しい練習曲を練習して、弾けなかったところが弾けるようになって、その曲を頭で覚えて、指もその動きに慣れて、ある程度弾けるようになる…。練習し始めの頃に比べたら格段の「進歩」である。でも、それはピアノが「上達」したことになるのだろうか?

自分の中では、ピアノが上達したというような「実感」があまりないのだが…(^^;)?




ピアノを練習していると、ときどきこういう「モヤモヤ」した気持ちになることがある。前回の「モヤモヤ」は10月11日の記事(↓)。

《ピアノが上手くならない…やはり近道はないのか?》

このときは「上達の内容がはっきりしてないことが問題」みたいなことで終わっている。そして、前々回の「モヤモヤ」は6月9日の記事(↓)。

《新モヤモヤ:ピアノについての新たな悩み?》

このときも「上達が感じられない」とグチっていて、一応「ピアノって簡単に上達するものではない」と割り切った…ことになっていた。そして新しいモヤモヤとして「ピアノを弾けるという感覚が分からない」などと書いている。

今回のモヤモヤはこの両方を合わせた感じかもしれない。


で、今回は頭の中で考える(堂々巡りをする?)のではなく、以前読んだ本を読み返す、あるいはそのとき書いた「読書メモ」を読んでみようかと思った。

とりあえず思い出したのは井上直幸さんの 『ピアノ奏法』という本。去年の夏に読んで「座右の書」にしようと思った本だ。大切なことを分かりやすく書いてある。

《井上直幸氏の『ピアノ奏法』いい!座右の書にしよう♪》

ピアノ奏法―音楽を表現する喜び



ちなみに、読むときにたまたま本のカバーを外したのだが、表紙はクリーム色の無地にドイツ語のタイトル?だけという素敵な装丁になっている。書かれているのはコレ(↓)。翻訳では「ピアノ演奏で生きる方法」と出てくるが、もっと深い意味がありそう…(^^)?

"Der Weg zum lebendigen Klavierspiel"



今回読み直して感じたことをいくつか…。

ピアノはキーを押せば簡単に音が出るため「気持ちや身体が『音楽する』状態になりにくい」と書いてある。ヴァイオリンやフルートなどは「音・音程を作る」必要がある。

なので、ピアノを弾くときには、自分で「ピアノで『楽音』を出す」とか「ピアノで音楽を表現する」とかを常に意識するという努力が必要になる。

楽譜に書いてある音符をいかに弾きやすく間違いなく弾くか…というだけではダメなわけだ。「ピアノと一体化する」というか、ピアノとの共同作業によっていかに音楽を作り上げるか、みたいな意識が必要なのだと思う。ヴァイオリンを弾くときのように…。


「退屈な演奏」とはどんなものか?という説明のところに「一応弾けている」という状態で満足してはいけないとか、自分の演奏を「『標準』(皆が弾くであろう標準的な演奏)に合わせようとしてはいけない」とかいったことが書いてある。

これは、「一応弾けている」がゴールみたいな練習しかしていない私にとっては、耳の痛い話である。「標準的な演奏」は私にとっては素晴らしい演奏に思える…(^^;)。

でも、どう弾きたいかということを考えるとき、必ずしも「標準的な演奏」だと思っている訳ではない。「下手でもいいから私らしい演奏」?というのもちょっと違う。

イメージとしては「私がいいと思う演奏に少しでも近づけたらとても嬉しい」…とでも言ったらいいのだろうか? もちろん「下手でもいいから」はもれなく付いてくる…(^^;)。


それから「イメージ先行」というのはよく言われることだが、「良い演奏というのは『指』(テクニック)が先行しているわけではなくて、『イメージ』が先行している」という説明のところにあった絵が印象的で、これだ!と思った ♪

「イメージする→弾く→聴く」が循環している絵(この記事の冒頭に載せた絵:私がちょっと色付けしているが…)である。

いつもの練習は「弾く」だけ。頭では理解していても「イメージする」「聴く」と常にリンクして循環(フィードバック)しているという感覚はあまりなかった。

練習するときは、この絵を思い出したいと思う。


ただ、この「イメージする」というのが、実はあまり得意ではない。「爽やかな風が吹く草原」なんてイメージしてしまったら、そこからピアノの音に戻れない…(^^;)。

そんな私にとって、一つの答えになりそうなのが、この本の第5章にある「演奏の基本感覚」ではないかと思った。そこには「ハーモニー感」「テンポ感」「リズム感」「曲の形」という4つの「基本感覚」が書かれている。

練習するピアノ曲の「ハーモニー感」「テンポ感」「リズム感」「曲(音楽)の形」を感覚で捉える、あるいは感覚としてイメージできることなんだと思う。

この曲の「ハーモニー感」「テンポ感」「リズム感」はどんな感じなんだろうか?この曲の「音楽の形」は全体としてどうなっているのだろうか?を考えてみることが、今の「モヤモヤ」を打破する一つのきっかけになると嬉しいのだが…♪


…という訳で、この本に書いてある「ピアノ奏法」のテクニックなどではなく、今回は心構えみたいなことが、モヤモヤ脱出のきっかけになりそうな気もしている。

次回の練習からは「演奏の基本感覚」と「イメージする→弾く→聴く」の絵を思い出しながらやってみようと思う ♪


【関連記事】
《ピアノが上手くならない…やはり近道はないのか?》

4 件のコメント:

サイトー さんのコメント...

悩んでますね。
定年後のピアノなら、のんびりやりましょう。

ぴあ さんのコメント...

サイトーさん、コメントありがとうございます。
ときどき思い出したように悩む(モヤモヤが出る)んですよね…。普段は下手なピアノに自己満足しながら楽しんでいるんですが…(^^;)。まぁ時間だけはたっぷりあるので、あれこれ言いたいことを言いながらのんびりやりたいと思います。
「のんびり」という言葉、久しぶりに聞いたかも知れません…(^^;)。

きんどーちゃん さんのコメント...

はじめまして。こんにちは。(^-^)
私も最近30年振りにピアノを弾き出した再開組です。
時々、お邪魔して読ませて頂いています。

井上直幸さんのピアノ奏法の本とビデオも去年購入してお気に入りです。
書かれている内容も参考になりますが、音楽&ピアノに対する愛情と温かいお人柄がとても素晴らしいなぁと思います。(*^-^*)
去年から子供の頃に習っていた先生にレッスンをして頂いていますが、近頃は猛練習してレッスンを受けてもダメ出しばかりで凹んでいます…0(>_<)0
ひとりでただ弾いていても楽しいですが、やっぱり下手なりにも少しでも上手くなりたいと思い、試行錯誤してもがいています。f^_^;
お互いに楽しみながら頑張りましょうね♪

ぴあ さんのコメント...

きんどーちゃん さん、コメント&励まし、ありがとうございます ♪
井上直幸さんの本は、ピアノに対する向き合い方みたいなところがとても気に入っています。私の場合、「レッスンでのダメ出し」が怖くて?これまで先生について習ったことは一度もありません…(^^;)。なので、こういう良い本というのは本当に助かります。
ピアノが上手くなることを信じて頑張りましょう…(^^)!