正確に言うと「プレリュード、フーガと変奏曲 Op.18」の中の最初の曲である。もともとはオルガン曲として作られたものだが、ハロルド・バウアー(Harold Bauer、1873-1951)というイギリスのピアニストが編曲したものだ。やや感傷的だがきれいな曲だ。
この曲が作られたのは1860年から1862年。『大オルガンのための6作品』の第3曲にあたる。フランク円熟期の開始を告げる作品となったと言われている。
この時期、フランクは最新鋭のパイプオルガンが設置されたばかりのサント・クロチルド聖堂のオルガニストに就任しており(以後生涯ここに留まることになる)、『6作品』はこのオルガンを念頭に置いて書かれたのだと思われる。
この作品18にはバウアー以外にも、イグナーツ・フリードマン、イェルク・デームス、アナトリー・ヴェデルニコフなどによるピアノ編曲版がある。
私がバウアー版を使うことになったのは、IMSLP にあった楽譜がたまたまそうだったというだけ…(^^;)。YouTube で検索して出てくる最初の音源(↓)もバウアー版。
♪ Cesar Franck - Prelude, Fugue et Variation Op. 18
あとで見たら、IMSLP にはイグナーツ・フリードマンの編曲版も置いてあった。
さて、今日から譜読みを始めようと思っているが、ちょっと不安材料も…。
一つには、選曲にあたってはほぼ1ページ目だけを試し弾きして、あとは楽譜を眺めただけなのだが、後半を少し弾いてみると思ったより難しそうなのだ…。
そして、調べているうちに、フランクの「オルガニスト的な旋律」は弾きづらいと書いてある記事(↓)を見つけてしまったのだ…(^^;)!
✏️フランクの音楽スタイル
少し引用すると…。
「オルガニストの作品ならではの特徴として、常にベース音が強固に存在することがあげられる。ピアノ曲では彼の手の巨大さがそれに拍車をかけた。これが、我々にとって彼の作品の演奏を難しくする一因となっている」
「コードが変化するので、安易なペダリングでつなげるわけにもいかないのだ」
「彼の作品に比べれば、ショパン、ドビュッシー、リストの難曲と呼ばれる曲でもそれほど弾きにくいわけではないのである。自分が弾くことが前提で、かつピアノを使って作曲されていたからである。しかしフランクの場合、彼が卓越した演奏家であったのにも関わらず運指が合理的でないのである。彼はよほど優れたヴィルトオーゾであったのだろう。あるいは作曲に演奏上の妥協を割り込ませない精神の持ち主であった、ということかもしれない」
ちなみに、もう一つの候補として最後まで残ったのはバッハの「オルガン・ソナタ 第4番 ホ短調 BWV528 第2楽章:Adagio」である。これは次の機会にとっておこう。
まぁ、今回選んだ「プレリュード」は、作品18の「フーガ」や「変奏曲」に比べればまだやさしい曲だと思われるので、何とかなるだろう…ということで頑張るしかない。
一つ前に練習した「テンペスト」第3楽章がけっこう大変だったので、少し楽なゆっくりの曲と思って選んだのだが、もしかするとまたもや一苦労するのかな…(^^;)?
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